大雪予想、きめ細かく 時間幅「24→12」に短縮

2018/12/12 19:23
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全国各地の気象台が、大雪警報・注意報の根拠になる予想降雪量の時間幅の短縮を進めている。「向こう24時間」が主流だったが、現在は32都道県の地方気象台が「12時間」か「6時間」を採用する。近年、短時間の雪で交通機関に乱れが出るケースが多発。きめ細かい情報提供で自治体による防災や被害軽減につなげる。

記録的な大雪で立ち往生し、国道8号に停車したままの車の列(2月、福井県坂井市)=共同

予想降雪量は各地の地方気象台が発表し、大雪警報・注意報を出す根拠となる。かつては数日間続く降雪による建物倒壊や林業への影響を想定していたため、24時間の予想降雪量がスタンダードだった。

栃木県を管轄する宇都宮地方気象台は11月8日から時間幅を12時間に改めた。これに伴い宇都宮市内の大雪注意報の発表基準が従来の「24時間降雪の深さ10センチ」から「12時間降雪の深さ5センチ」に変わった。予想の間隔が短くなることで、行政は迅速な対応が取れる。

栃木県北部に位置し、大雪警報・注意報が出やすい日光市では発表の頻度が増えるのに合わせて、防災担当職員の役所への参集時間を早めた。市防災対策室の担当者は「道路閉鎖などの対策を前倒しできるので被害を抑えられるはずだ」と歓迎。県危機管理課でも対策の改善点を分析しているという。

11月末までに岐阜、奈良、和歌山も同様に予想降雪量の時間幅を「24時間」から「12時間」に縮めた。気象庁によると、計32都道県が時間幅を短縮し、北海道の一部、秋田、新潟、富山の豪雪地帯では6時間きざみを採用している。

近年、短時間の降雪でも車や列車が立ち往生したり、歩行者が転倒したりするケースが多発。2014年2月の大雪では、群馬県や山梨県で集落の孤立などが数日間続いたほか、東京都心も20センチ以上の積雪で交通機関がまひした。

観測システムの向上で、以前よりも高い頻度で観測できるようになったほか、短時間の降雪が社会的に与える影響についての事例が蓄積された。こうした変化を踏まえ、各地の気象台は予想の時間幅の見直しを進めてきた。

今年2月の豪雪で最大約1500台の車が立ち往生した福井県。福井地方気象台は今冬から積雪などに警戒が必要な場合に警報・注意報に先立って発表する「府県気象情報」についても運用を改善した。

これまでは大雪警報・注意報と同じ「12時間」に合わせていたが、気象状況によっては、これよりも短い幅で発表することにした。今冬はまだ新しい運用が適用されるほどの降雪はないが、防災グループの担当者は「積雪の多い北陸地方で試験的に導入し、効果を検証したい」と話す。

2月の豪雪で5日間運休した京福バス(福井市)の担当者は「降雪情報が充実すれば、計画運休を早めに発表したり、除雪の必要性を判断したりできるようになる」と運用に期待を寄せる。

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