ジェイテクト、自動運転など新分野に注力
ジェイテクトは12日、都内で事業説明会を開いた。安形哲夫社長が自動運転や電動化などへの対応を一段と進める方針を明らかにした。軸受け分野では、軸受け中堅のダイベアの完全子会社化などを通じて新製品に参入する方向性を示した。
安形社長は自動運転分野では2023年の実用化に向け、電気信号だけでタイヤを操作する装置の開発を進めていることを明らかにした。電気自動車(EV)モーター冷却用の電動ポンプを初めて受注し、20年11月に欧州で生産開始する方針も示した。
ジェイテクトの18年度の研究開発費は前年度比12%増の620億円。安形社長は「自動運転などのために研究開発へのある程度の投資は欠かせない」と話す。
ジェイテクトは軸受け中堅のダイベアをTOB(株式公開買い付け)で完全子会社化する手続きを進めている。宇宙関連機器向けなど精度の高さが求められる「超高性能軸受け」をダイベアが開発しており、19年度から国内で初めて量産する計画だ。
ジェイテクトは同日、国内唯一の磁気軸受け専業メーカーであるMUTECS(ミューテックス、大阪府寝屋川市)と磁気軸受けの設計や製造などを手掛ける新会社を11月1日付で設立したと発表した。出資比率はジェイテクトが90%、ミューテックスが10%。
磁気軸受けは電磁石の吸引力を制御し、回転体を磁気で浮上させるシステム。高速回転や保守のしやすさなどの特徴がありタービン式の発電機などに使われる。中大型の回転機器向けに売り込み、22年度に売上高で26億円を目指す。
身に着けると電動モーターが人の動きを支援して腰などへの負担を軽くする装置「ジェイパス」では、今年8月に売り出した第1弾より半分の軽さにした新製品を19年春に発売する。