キュレーション問題のMERY、再開1年 単月黒字へ

2018/12/13 11:30
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

小学館とディー・エヌ・エー(DeNA)の共同出資会社MERY(メリー、東京・千代田)が運営する女性向けファッション情報サイト「MERY」の再開から1年が経った。著作権侵害の問題などで2016年に閉鎖に追い込まれたが、小学館との共同運営体制にし、編集機能を強化。信頼性の向上に努めた。「年度内に単月で黒字化」(大西豊社長)が見えてきた。

利用者はアプリとサイトを合わせると320万人ほどになった

利用者はアプリとサイトを合わせると320万人ほどになった

メリーの再開にあたり、ライターを採用、記事を校閲して編集する体制を整えた。旧メリーでは、ライターが直接記事をネットに掲載していた。

再開当初は「校閲や編集のノウハウの蓄積がないため、小学館(のネット記事)より遅いペースになり、なかなか記事の数を増やせずジレンマもあった」。7月に就任した大西社長は語る。

採用したライターは未経験者ばかりで、中には何度も校閲に引っかかり書き直しをした記事もあったという。メリーにいるエンジニアを生かし、校閲作業をシステム化し、5月の連休には1日100本の記事を公開できる体制になった。

メリーは16年までDeNAの子会社が運営していた。DeNAは10種類のキュレーション(まとめ)サイトを運営していたが、16年秋以降に著作権侵害などの問題が続出し、全てのサイトの公開を中止した。メリーは閉鎖したキュレーションサイトの中で特に人気があり再開を望む声が多かった。17年8月、小学館とDeNAが共同出資で運営会社を設立し、編集体制を強化して同年11月に再開した。

メリーの大西豊社長(右)と広告ビジネス部の青木秀樹部長

メリーの大西豊社長(右)と広告ビジネス部の青木秀樹部長

今年9月には初の大型イベント「ラッキーメリーデー」を開いた。「(ファッション誌の)『CanCam』などはどんな人が来るか想像できるが、メリーはまったくできなかった」と大西社長。メリーでは幅広いファッションや趣味を掲載しているため、ユーザー層の把握が難しい。そのためイベントはブース型にし、ユーザーに好きなところを回遊してもらうようにした。

イベントはメーク体験やカフェ、フォトスポットなどを用意した。参加は無料で抽選で参加者を決めた。応募は定員の4倍ほどあったという。企業の商品のサンプルも配布した。SNS(投稿サイト)上では参加者が商品を投稿するなど広告効果もあったという。メリーのエンジニアが、どのように列を作れば待ち時間を少なくできるか計算するなど技術も活用した。

アプリのダウンロード数は再開半年で100万を突破。パソコンやスマートフォン(スマホ)のブラウザーでのサイト利用も含めると320万人ほどが閲覧しているという。約6割が週に3日以上利用し、メリーで見た商品は約6割が購入したことがあるという。

メリーは企業とのタイアップ記事や動画などで広告収入を得ている。例えば動画の場合、記事とセットで500万円程度。「企業の依頼も増えてきている」と広告ビジネス部の青木秀樹部長は語る。黒字化には再開当初は2~3年かかると考えていたが「年度内に単月で黒字化できる」(大西社長)という。今後はユーザー数を増やすため、広告収入で得た資金をマーケティングに投入する。

(企業報道部 桜井芳野)

[日経産業新聞12月13日付]

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