2019年2月20日(水)

ビットコイン交換会社社長に懲役10年求刑 消失巡り
東京地裁公判

2018/12/12 12:29
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仮想通貨ビットコインが大量に消失したとされる事件を巡り、業務上横領などの罪に問われた交換会社「マウントゴックス」(民事再生手続き中)社長、マルク・カルプレス被告(33)の論告求刑公判が12日、東京地裁(中山大行裁判長)で開かれ、検察側は懲役10年を求刑した。

起訴内容について、カルプレス被告は2017年7月の初公判で「顧客のお金を不正に使ったことはない」と否認。18年10月の公判で行われた被告人質問でも着服したとされる資金について「会社からの貸付金として会計処理した。後で精算するつもりだった」などと述べ、改めて否定している。

検察側は論告で「金銭貸借の書類はなく、返済の意思はなかった」と指摘。「多額の資金を使い込み、顧客の信頼を裏切った責任は重大だ」として厳しい判決を求めた。

起訴状によると、同被告は13年9~12月、顧客の資金を管理していた口座から自身の口座などに計約3億4千万円を送金して着服し、事業買収や家賃、家具購入などに充てたとされる。取引システムのデータ改ざんによって現金残高を水増ししたとして、私電磁的記録不正作出・同供用罪にも問われた。東京地検は予備的な訴因として会社法違反(特別背任)罪などを追加している。

大量消失について、カルプレス被告は「ハッキングされて盗まれた」と自身の関与を否定している。公判で問われたのは大量消失とは直接関係がない資金操作を巡る罪。消失原因は解明されない見通しだ。

14年2月に当時のレートで約480億円相当のビットコインと現金約28億円を消失したと発表したマウントゴックスは同月に経営破綻し、同年4月に東京地裁が破産手続きの開始を決定。ビットコインの高騰を受け、18年6月にビットコインのまま返還できる民事再生手続きに変更した。

事件を受け、金融庁は資金決済法を改正。17年4月の改正法施行で仮想通貨を円やドルなどの法定通貨に準じる支払い手段として認め、交換会社は金融庁から登録を受けないと運営できなくなった。

ただ今年1月、大手のコインチェック(東京・渋谷)が利用者から預かっている約580億円分の仮想通貨NEM(ネム)が外部からの不正アクセスにより流出したと発表するなど、仮想通貨を巡るトラブル根絶には至っていない。

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