風疹予防接種、なぜ男性が無料?(Q&A)
風疹の流行に歯止めをかけるため厚生労働省は11日、感染リスクが特に高いとされる39~56歳の男性を対象に2019年から約3年間、免疫の有無を調べる抗体検査とワクチン接種を原則無料にすると発表した。対象となった人がとるべき対応などをまとめた。

Q なぜ風疹の対策を講じるのか。
A 今年夏ごろから首都圏を中心に風疹の患者が目立ち始めた。1977年からワクチンの定期接種が始まったが、当初は女子中学生だけが対象だった。対策が必要になったのは、抗体がないまま成人した30~50代の男性が主な感染源となり、職場などから広まったとみられるためだ。
Q 無料化が必要な理由は。
A ワクチンの接種は最大1万円程度、抗体検査は約5千円の費用がかかる。このため接種を呼びかけてもなかなか広がらず、無料化に踏み切った。
Q そもそも風疹はどんな病気か。
A ウイルスが引き起こす感染症だ。発熱や発疹、リンパ節の腫れといった症状があり、せきやくしゃみで広まる。インフルエンザより感染力が強く、1人の患者から5~7人にうつる。妊娠初期の妊婦が感染すると赤ちゃんが先天性風疹症候群という病気にかかり、心疾患、難聴などの障害が残る可能性がある。
Q 抗体検査とは?
A 簡単な血液検査で、風疹に免疫があるかないかが分かる。「子供のころにかかった」という記憶は間違っていることも多いので注意してほしい。
Q 予防接種には効果があるのか。
A 接種で感染はほぼ防げる。2回接種することでより確実に抗体ができ、効果が高まる。医師が認めればインフルエンザワクチンとの同時接種もできる。ただ妊娠前の女性は接種後2カ月は避妊が必要で、妊娠中に接種はできない。
Q 39~56歳の男性は、何をすればよいか。
A まず、病院や診療所で抗体検査を受け、抗体を十分に持っているかどうかを確かめる。不十分なら予防接種を受けるのが望ましい。
Q 検査や接種はいつから無料になるのか。
A 19年春ごろになりそうだ。厚労省や市町村が周知する。自治体によっては既に予防接種や抗体検査の費用の助成を始めているので、市町村の窓口などに問い合わせるとよい。