2019年5月23日(木)

半導体装置、19年踊り場に 4年ぶり世界販売4%減

2018/12/11 20:30
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半導体製造装置の世界市場が2019年、踊り場を迎える。国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は11日、製造装置の販売額が19年、4年ぶりに4%減に転じるとの市場予測を発表した。これまで好調だった装置市場の減速で、半導体の長期的な成長が続くとする「スーパーサイクル」論への試練が強まる。半導体関連メーカーは戦略の見直しを迫られそうだ。

世界の半導体製造装置販売額は18年に前年比9.7%増の621億ドル(約7兆円)と過去最高を達成する見通しだ。19年は一転して減少し、前年割れの596億ドルになる予測だ。

DRAMやNAND型フラッシュメモリーの増産を続けてきた韓国や、半導体の国産化を進めてきた中国で投資が減速するためだ。最大市場である韓国の装置販売額は18年比で22.9%減、2位の中国では同2.2%減になる見込みという。

米中貿易摩擦も市場予測に悪影響を及ぼした。SEMIは「米中貿易摩擦や輸出制限などの政策が半導体産業に大きなリスクになった」と懸念を示す。影響が長期化すれば半導体市場全体の減速につながりかねない。

半導体市場は17年以降、スマートフォンやデータセンターで使う半導体メモリーが成長をけん引し、異例の高成長を遂げた。半導体メーカーは投資を増やし、英調査会社IHSマークイットによると、世界の半導体市場は同年に22%成長した。

18年に入ると半導体の供給量が増え、需給バランスの緩みが顕著になった。フラッシュメモリーの価格は年初から3割以上値下がりした。半導体メーカー各社は増産計画の見直しに動き出した。

東京エレクトロンの河合利樹社長は「メモリーメーカーの生産性改善や需給バランスのため、投資が遅れている」と分析する。同社は10月末、19年3月期の通期業績予想を下方修正した。SEMIのクラーク・ツェン市場調査統計部門ディレクターも「韓国や中国で投資抑制が働き、メーカーが20年以降に投資を先送りする」と指摘する。

市場予想では20年に再び装置需要が高まり、19年比20.7%増の719億ドルに増加する見込みとなる。19年後半にメモリー価格の下落が落ち着き、投資抑制の反動もあり、販売が増える見通し。

装置メーカー最大手の米アプライドマテリアルズのダン・ダーン最高財務責任者(CFO)は「短期的に見ればメモリー価格の下落や貿易摩擦などマイナス要因はあるが、長期の半導体市場の成長は堅い」と分析する。

ただ長期の市場の動向は、CPU(中央演算装置)などのプロセッサー不足や、米グーグルや同アマゾン、フェイスブックなどの大手IT企業に対する規制強化などにも左右される可能性がある。世界で拡大するデータ経済圏も、市場の行方に影響を及ぼしかねない。

世界半導体市場統計(WSTS)が11月27日に発表した調査では、19年の半導体メモリーの成長率予想を0.3%減に下方修正した。メモリーの不振が足を引っ張る形で、半導体全体の予想も2.6%増に引き下げていた。

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