関空浸水、高波が3時間流入 一部の護岸で高さ不足
第三者委検証

2018/12/11 17:20 (2018/12/11 19:01更新)
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9月の台風21号で関西国際空港が浸水した問題で、高波が約3時間にわたり護岸を越えて空港内へ流れ込んだことが11日、関西エアポートの第三者委員会(委員長=平石哲也京都大教授)がまとめた検証で分かった。沈下の影響で、護岸の一部が国の基準値より低かったことも判明。流入量は最大で東京ドーム2杯分(250万立方メートル)を超える270万立方メートルと推計された。

台風21号の影響で誘導路などに水が残った関西空港(9月5日)=共同

第三者委によると、護岸の高さが基準を満たしていても今回の高波は乗り越え、7割は流入したとみられる。平石教授は「想定を大きく超える高波で、浸水を防ぐのは難しかった」と指摘。関西エアポートは「高さが足りないことは把握しており、2019年にかさ上げを行う予定だった」と説明している。

関空周辺では台風21号が接近した9月4日、史上最大の58.1メートルの最大瞬間風速を観測し、4メートルを超える高波が発生した。1期島の東側と南側は高さ4~6メートルの護岸で囲まれているが、同日午後1時ごろには高波が護岸を越え始め、同日午後4時ごろまで海水が流れ込み続けた。

護岸は国の基準に基づき、50年に1度に相当する高波が発生しても波が浸入しないよう設計されている。しかし1期島は沈下が続いており、東側の護岸の一部で高さが基準を下回っていた。19年4月に護岸のかさ上げを実施する方針だったが、間に合わなかったという。

流入した海水は230万~270万立方メートルとみられ、9割は高波による。このほか高波で東側の護岸の一部が長さ約20メートルにわたり損壊したことによる流入が7%、排水ポンプの故障で海水が空港内へ逆流した現象によるものが2%と推計された。空港内の浸水は深いところで1.2メートルに及んだという。

検証結果を受け、関西エアポートなどは約540億円を投じて災害対策を強化する方針。護岸のかさ上げのほか、今回の浸水で水没した第1ターミナルビル地下の電源施設を地上へ移設することなどを想定している。

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