民泊業界団体、19年1月設立へ ヤミ民泊撲滅へ勉強会
百戦錬磨(仙台市)や米エアビーアンドビーなど民泊仲介サイトを運営する国内外の大手9社は11日、業界団体「住宅宿泊協会」を2019年1月に設立すると発表した。6月施行の住宅宿泊事業法(民泊新法)で仲介が禁じられた違法物件の排除に向けて勉強会やシステムづくりに取り組む。家主向けの研修や民泊市場を活性化させるための政策提言も予定する。

代表理事は百戦錬磨の上山康博社長と、米ホームアウェイの木村奈津子日本支社長が共同で務める。同日、都内で記者会見した上山氏は「違法物件を撲滅する仕組みを作り、産業を健全に発展させたい」と抱負を述べた。
ほかに国内勢は楽天ライフルステイ(東京・千代田)とスペースマーケット(同・新宿)が参加。外資はオランダのブッキング・ドット・コム、中国の途家(トゥージア)、同国の携程旅行網(シートリップ)、シンガポールのアゴダが入る。今後さらに会員を募る。
新法施行前から既存ルールに沿った物件だけを仲介してきた百戦錬磨が呼びかけ、観光庁が仲立ちした。主要社が今年5月に初会合を開き、団体の設立で合意していた。
違法物件を巡っては、仲介最大手のエアビーなど一部のサイトで法的な裏付けのない施設を掲載し、新法施行を機に削除した経緯がある。
観光庁によると、施行日の6月15日時点でエアビーなどの仲介サイト上の物件の2割が虚偽の届け出番号を載せるなど違法の疑いがあった。違法民泊は匿名性が高いうえ管理が行き届かず、騒音やゴミ出し、犯罪への悪用などのトラブルの温床になりやすい。
(大林広樹)

空き部屋に旅行者が有料で宿泊することを解禁する住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されました。民泊の普及を狙ったルールですが、営業の届出は手続きの煩雑さや営業日数規制の影響で低調です。政府も制度変更で空き家の利活用を狙います。コロナで打撃を受けた民泊は今後も日本に根付くのか、お伝えします。