アルメニア選挙、改革派が圧勝 対ロ関係維持が焦点

2018/12/11 14:38
保存
共有
印刷
その他

【モスクワ=古川英治】カフカス地域のロシアの同盟国アルメニアで行われた総選挙で、反汚職や経済活性化を掲げる改革派が圧勝した。4月の街頭デモにより前政権を辞職に追い込んだパシニャン氏率いる政党連合「マイ・ステップ」が7割得票した。ロシアとの戦略関係の維持と改革路線の両立など新政府の道は険しい。

記者会見するパシニャン氏(10日、エレバン)=ロイター

パシニャン氏は10日の勝利宣言で「これは革命の第一歩に過ぎない」と表明した。4月のデモは任期を終えた大統領が長期政権を維持するために首相に横滑りしたことをきっかけに拡大した。5月に議会で首相に選出されたパシニャン氏は透明な選挙を実現したと強調し、「次のステップで強い経済を実現しなければならない」と語った。

デモで爆発した国民の不満の背景には汚職と経済低迷がある。失業率は2割近くに達し、国内総生産(GDP)の2割はロシアなどへの出稼ぎ労働者からの送金が占める。アルメニアが加盟するロシア主導のユーラシア経済同盟や集団安全保障条約機構(CSTO)は強権国家の集まりで、汚職の横行と経済停滞は加盟各国に共通する。

パシニャン氏は改革が反ロと受け取られぬよう腐心していると見られる。隣国アゼルバイジャンとは同国領内でアルメニア系住民が独立を主張するナゴルノカラバフ自治州の問題で対立し、トルコとも国交断絶が続いている。安保でロシアに頼る現実もあり、10日の会見では「北大西洋条約機構(NATO)加盟は検討していない」と表明して見せた。

5月のパシニャン氏首相就任後、アルメニアの元大統領とCSTO事務局長が起訴された際にはロシアが批判を強める場面があった。アルメニアのカフカス研究所のイスカンダリャン所長は「(改革の前提となる)法の支配を巡ってロシアと摩擦が生じる可能性はある」と指摘している。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]