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アスリートが結ぶ スポーツと新ビジネス
編集委員 北川和徳

2018/12/12 2:00
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元プロ陸上選手の為末大氏が、スポーツに関連した新事業とアスリートの接点となるシェアオフィス「デポルターレ・コンプレックス」を東京都渋谷区に開設した。ベンチャー企業や研究技術者、起業を目指す若者たちが集い、アイデアと新たなビジネスが次々と生まれる「ホットスポット」を目指している。

2012年の競技引退後、社会のためにスポーツを生かすことをテーマに多彩な活動をしている為末氏が今、最も関心があるのは「スポーツとテクノロジーの融合」。トップアスリートの知見がテクノロジーと出合うことで新たな商品やサービスが生まれることを期待している。

「スポーツとテクノロジーの融合」を図るべく活動する為末大氏

「スポーツとテクノロジーの融合」を図るべく活動する為末大氏

「トップアスリートの世界はモータースポーツのF1に例えられると思う。強い負荷がかかる状況に対応して証明されたものが、幅広く一般にも実用化されていく」

最新のセンシング技術でアスリートの動作や感覚はかなりの程度まで数値化できるようになってきている。それを活用することで、さまざまな可能性が広がっていく。

センサー内蔵の靴で正しいフォームに

実際に大きく成長しそうな事業もある。同オフィスに入居する「ノーニューフォークスタジオ」は、モーションセンサーや通信機能を備えた靴、スマートフットウエア「Orphe(オルフェ)」を開発している。

もともとはダンスなどのダイナミックな動きを感知してソールの発光ダイオード(LED)が光るエンターテインメント用だったが、為末氏らとの出合いから、その機能で正しいランニングや歩行をサポートするアイデアが生まれた。アシックスと共同でオルフェの機能を内蔵したシューズの開発も進んでいる。

為末氏は「トップアスリートの世界はF1に例えられる」と話す(今季の年間総合優勝に輝いたルイス・ハミルトンとメルセデス)=AP

為末氏は「トップアスリートの世界はF1に例えられる」と話す(今季の年間総合優勝に輝いたルイス・ハミルトンとメルセデス)=AP

履いているだけで歩数や速度はもちろん、着地時の傾きや位置などあらゆる足の動きをデータとして収集し、スマートフォンやパソコンなどと連動できる。正しいフォームへの誘導や体の状態のチェック、高齢者の見守り、保険商品への活用など用途は広がりそうだ。

企業にとってスポーツのビジネス価値はこれまで主に興行と広告効果から説明されてきた。しかし、アスリートの存在が新たな商品やサービスの開発につながると認識されれば、その価値は飛躍的に高まっていく。

(20年東京五輪まであと590日)

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