2019年5月19日(日)

性暴力撲滅、世界に訴え イラク女性らに平和賞授与 「正義を」コンゴ医師も

2018/12/11 2:18
保存
共有
印刷
その他

【オスロ=共同】紛争下の性暴力と闘うイラク人女性ナディア・ムラド氏(25)と、コンゴ(旧ザイール)の産婦人科医デニ・ムクウェゲ氏(63)へのノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーの首都オスロで開かれた。ムラド氏らは演説で性暴力撲滅を目指し「共に声を上げよう」と国際社会に行動を要求。「正義を望む」と被害者支援も訴えた。

10日、オスロで開かれた授賞式でノーベル平和賞を贈られたムクウェゲ氏(右)とムラド氏=AP

ムラド氏はクルド民族少数派ヤジド教徒で、過激派組織「イスラム国」(IS)の性奴隷にされたと実名で証言してきた。演説で、多数のヤジド教徒を殺害、拘束し性奴隷にしたISの攻撃は「虐殺」と強調。「裁かれなければ虐殺が繰り返される」と述べ、ISメンバーらの処罰を求めた。

ヤジド教徒をはじめ攻撃されやすいコミュニティーに暮らす人々を保護することは国際社会の責務と指摘。平和賞が女性らを性暴力から守る契機になってほしいとし「暴力にノー、平和にイエス」と訴えようと語った。

ムクウェゲ氏は、長年の紛争で性暴力がまん延したコンゴ東部で多くの被害者治療に当たってきた。「世界中の性暴力被害者にこの賞をささげる」と演説。乳児や子どももレイプに遭うコンゴの状況を語り、被害者補償のための基金設立を手助けしてほしいと訴えた。

天然資源を巡る争いがコンゴ紛争の原因と指摘し、「今すぐ平和を」と力説。性暴力はコロンビアやミャンマーなど、他の紛争地でも起きていると警鐘を鳴らした。

平和賞の賞金は900万スウェーデンクローナ(約1億1200万円)で、2人で分けられる。

ノルウェーのノーベル賞委員会のレイスアンデルセン委員長も演説。「私を最後の被害者に」と訴えるムラド氏の自伝を引用、同氏の世代を戦争犯罪である性暴力に苦しむ最後の世代にしないといけないと強調した。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報