ニチレイ、インドの食肉ECスタートアップに出資

ニチレイは10日、インドで電子商取引(EC)を使った食肉の流通や宅配を手掛けるスタートアップ企業に出資すると発表した。出資額は約1500万ドル(約17億円)。インドは人口増で食料の需要増が見込めるものの、流通網の整備が不十分で高品質の肉が手に入りにくい。食肉のECサービスに強みを持つスタートアップへの出資を通してインド市場の開拓を進める。
インドで食肉や魚介類の宅配などを提供するオンラインサービス「リシャス」を運営するディライトフルグルメ社の第三者割当増資を引き受け、7日に出資した。同社はインド南部のバンガロールなど3都市で鶏肉やラム肉などの食肉を提供している。
インドは世界でも有数の食肉生産国だが、コールドチェーン(低温輸送網)やスーパーなど小売店への流通網の整備が不十分だという。ニチレイは2000年代前半に低温物流を手掛ける企業に出資し、インド市場に参入したが、インフラ整備などがうまくいかず撤退していた。
17年4月に新規事業を手掛ける新たな部署を設置。ITなどを活用した食品事業の拡大を進めている。今回のスタートアップへの出資で食肉の需要増が見込まれるインド市場の開拓に再び乗り出すことにした。