2019年6月27日(木)

機密漏洩防止へ調達指針 政府、ファーウェイ念頭

日本の守り
2018/12/10 10:40
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政府は10日、中央省庁や自衛隊が使う情報通信機器の調達に関する運用指針をまとめた。不正プログラムの埋め込みなど安全保障上の危険性を考慮に入れ、機密情報の漏洩を防ぐ。イランへの製品輸出の疑いがある中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)などの製品を念頭に置く。2019年4月以降に調達する機器に適用する。

運用指針はファーウェイなどの製品を念頭に置く(6月、上海の見本市)=ロイター

運用指針はファーウェイなどの製品を念頭に置く(6月、上海の見本市)=ロイター

政府が通信機器の調達手続きに関する指針をつくるのは初めて。10日に全省庁の機器調達やサイバー対策の担当者を集め指針を申し合わせた。

対象は政府機関が使うパソコンやサーバー、ルーターなど。(1)国家安全保障や治安関係の業務を行う(2)機密性の高い情報を取り扱う(3)個人情報を大量に扱う(4)基幹・基盤システム(5)運営経費が極めて大きい――の5つの観点で調達が適切かどうか判断する。機器に不正なプログラムやウイルスが埋め込まれていればデータが外部に流出したり、システムが動かなくなったりしかねない。自衛隊の部隊運用など機密情報が漏れる恐れもある。

導入済みの機器も危険性があるとみなせば切り替える。機器の調達はこれまで価格で判断する一般競争入札が基本だったが安全性を重視する。

念頭に置くのは中国企業の通信機器だ。ファーウェイは米国が経済制裁を科すイランに製品を不法に輸出した疑いがある。新指針の下では同社製品は安保上のリスクを伴い、調達先から排除される公算が大きい。

菅義偉官房長官は10日午前の記者会見で「情報の破壊や情報システムの停止など悪意のある機能が組み込まれた機器を調達しないことは極めて重要だ」と述べた。中国企業の製品を念頭に置いた措置かと問われ「特定の企業、機器を排除することを目的としたものではない」と語った。

運用指針の公表に関し「中国側から外交ルートで照会があった」と明らかにした。菅氏によると、日本政府は中国側にサイバー対策上の重要性と「日本が取る措置は国際ルールに整合的な形で取られる」と説明した。

中国企業の通信機器の取引停止では米国が先行している。4月には中興通訊(ZTE)に米企業との取引を禁じる経済制裁を発動した。8月に米国防権限法(NDAA)を成立させ、ファーウェイ製品などを使用するだけで米政府との取引を禁じる規定を盛り込んだ。

日本政府関係者によると、米政府は日本政府にも中国製機器の危険性に関する情報を提供してきた。日本が中国企業を念頭に調達基準を厳しくするのも、こうした状況を踏まえたものだ。

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