2019年6月16日(日)

メジャーリポート

フォローする

身長は問題じゃない 躍動するメジャーリーガー
スポーツライター 丹羽政善

(2/2ページ)
2018/12/10 6:30
保存
共有
印刷
その他

ベッツはワールドシリーズ制覇に貢献し、18年のア・リーグMVPに輝いた=AP

ベッツはワールドシリーズ制覇に貢献し、18年のア・リーグMVPに輝いた=AP

スポーツ専門局ESPN(18年9月21日付)の調べでも、長年16チームだった大リーグで球団の拡張が始まった1961年以降、5フィート9インチ以下の野手で、OPS+(出塁率と長打率から弾き出すOPSに球場の条件などを加味して補正した数値。得点にどれだけ貢献したのか、平均値からの突出した度合いなどがわかる。時代やリーグの違う選手との比較も可能)が155を超えたのは8回だけだったという。この数値の平均値は100で、150以上で優秀とされている。

ただ、その8回を誰が記録したのか。

実はアルトゥーベが2回マークし、ともに身長が5.9フィートのムーキー・ベッツ(レッドソックス)とホセ・ラミレス(インディアンス)もそれぞれ2回ずつマークしている。いずれも最近の話である。

大リーグのデータ分析に定評がある「ファングラフス」によると、選手としての総合評価を示すWAR(代替選手に比べてどれだけチームの勝利の上積みに貢献したかを示す数値)でも、16年の野手ではベッツが2位で、アルトゥーベが6位。17年はアルトゥーベが2位、ラミレスが7位。18年はベッツが1位、ラミレスが3位だった。そして、17年はアルトゥーベが、18年は自己最多の32本塁打を打ったベッツがア・リーグの最優秀選手(MVP)をそれぞれ受賞している。

「ベッツらが視野広げてくれた」

これは偶然か、必然か。

たまたま同じ時代に、傑出した力を持つ小柄な選手が台頭しただけ――。昔の経験でしか野球を見られず、それだけが基準となっている人はそう考えるのかもしれないが、おそらく答えは後者だろう。

彼らはいずれも、ここ数年で打球に角度をつけられるようになった。

ア・リーグ優勝決定シリーズで、塁上で話をするベッツ(左)とアルトゥーベ=USA TODAY

ア・リーグ優勝決定シリーズで、塁上で話をするベッツ(左)とアルトゥーベ=USA TODAY

大リーグには日本の野球界に負けず劣らず、保守的な面がある。

年齢に対する考えもその一つだが、結局、体の小さな選手は大成しない、ホームランも打てない――。そんな偏見は今もある。18年、1368人(9月19日現在)がメジャーに登録され、そのうち5.9フィート以下の選手は42人しかいなかった。わずか3%である。

しかし、42人のうち5人がワールドシリーズを制したレッドソックスの選手だ。いち早く、彼らはなにかを捨てた。

18年6月、ホワイトソックスが5フィート7インチ(約170センチ)の選手をドラフト1位(全体4位)で指名した。1巡目で指名された選手の中では、史上最も身長が低いそうだ。しかし、ホワイトソックスのスカウト、マイク・ギャンジ氏が前出のESPNの記事の中で、こうコメントしていた。

「ベッツやアルトゥーベの存在が、視野を広げてくれた」

「スポーツ」のツイッターアカウントを開設しました。

メジャーリポートをMyニュースでまとめ読み
フォローする

  • 前へ
  • 1
  • 2
保存
共有
印刷
その他

大リーグコラム

電子版トップスポーツトップ

メジャーリポート 一覧

フォローする
互いにボールを手にしながら、データを利用したアプローチなどについて話し合う菊池(左)とバウアー

 ほぼ約束の時間に姿を見せた菊池雄星(マリナーズ)は、真新しいボールを2つ、手にしていた。
 「サイン用?」とジョークを飛ばすと、「違います。教えてもらう用です」と言って、無邪気な笑みを返した。
 ややあ …続き (5/27)

3月28日のマリナーズ戦に先発したセール(中央)は3回7失点で降板。その後も勝てない投球が続いている=AP AP

 昨季世界一に輝いたレッドソックスが今季はどん底のスタートを切っている。4月16~17日に宿敵ヤンキースに連敗を喫し、19日のゲームを終えた時点で7勝13敗でア・リーグ東地区の最下位。首位を走るレイズ …続き (4/22)

今季2試合目の登板となったタイガース戦でも6回2/3を1失点と好投=共同共同

 ヤンキースの田中将大が、2019年の大リーグで順調なスタートを切っている。3月28日のオリオールズ戦は六回途中まで自責点1に抑え、自身初の開幕戦勝利を挙げた。4月2日のタイガース戦でも6回2/3を1 …続き (4/8)

ハイライト・スポーツ

[PR]