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身長は問題じゃない 躍動するメジャーリーガー
スポーツライター 丹羽政善

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2018/12/10 6:30
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ある試合前の練習後、ホセ・アルトゥーベ(アストロズ)がダッグアウトの横で地元の子供たちと写真を撮っていた。ただ、その中には身長がアルトゥーベと変わらない子もいて、屈強な大リーガーを囲んで、という普段見かける光景とはだいぶ異なった。

公称では身長168センチ、体重75キロ。しかし実際には165センチあるかどうか。それでも2014年には225安打を放ち、ヒットメーカーとして一定の評価を得るようになった。スピードもあり、右打者とはいえ、転がせば内野安打を足で稼げる。

アルトゥーベは16年と17年には24本塁打を放ち、「フライボール革命」の一躍を担う=AP

アルトゥーベは16年と17年には24本塁打を放ち、「フライボール革命」の一躍を担う=AP

15年から2シーズン、アストロズの打撃コーチ補佐を務めたアロンゾ・パウエル氏(現ジャイアンツ打撃コーチ)は「彼にはヒットを打つことに関して、多くのオプションがある」と話し、続けた。

「けががなければ、いつでも年間200安打を打てるのではないか」

「フライボール革命」の一翼

ただそのころ、チームはフライボール――極端にいえば、本塁打を狙う野球にかじを切っていた。過去のデータからフライを打った方が打率のみならず、長打率も上がることがわかり、理想的な打球角度、打球の初速を選手らに徹底させていたのだ。その流れの中で、小兵のアルトゥーベでさえ打撃スタイルを変えると、16年と17年には24本塁打を放ち、「フライボール革命」の一翼を担うようになった。

遠くへ飛ばすには、ある程度の打球速度が必要。そのためにはそれなりの体重も必要。が、アルトゥーベのようなサイズでも必要最低限の体重があり、あとは打球に角度をつける技術があれば本塁打が打てることを証明した。フライボールの効果は限られた選手だけのものではない、ということもまた定着した。

さてその後、フライボールに対する対策まで浸透し始めた大リーグだが、対照的に日本ではまだ、柳田悠岐(ソフトバンク)ら一部の選手が実践しているにすぎない。指導者の中には体の小さな日本人の体形には向かない、という意見もあるよう。アルトゥーベらは例外だと。確かに、メジャーでもその点に関しては決してサンプルが多いわけではない。

大リーグの歴史や記録を主に扱う「ベースボール・アルマナック」が1876年から2012年までの全大リーガー(1万5078人)の身長を12年に調査。それをもとに計算すると、アルトゥーベほどの身長の選手はこれまで0.08%しかいなかった。5フィート9インチ(約175センチ)以下の選手は、全体のわずか11.6%だった。

小柄な選手がフライボール革命の流れに適応できたかどうかという以前に、ドラフトの時点でふるいにかけられてきた現実がある。

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