ケリー米首席補佐官が年内退任 トランプ大統領が発表

2018/12/9 4:21 (2018/12/10 10:02更新)
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【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は8日、ケリー大統領首席補佐官が年末までに退任すると発表した。ケリー氏は混乱が続く米政権に強い規律を導入しようと尽力してきたが、トランプ氏との不仲説が絶えなかった。トランプ氏に苦言を呈す「お目付け役」の退任で、政権運営の混乱に拍車がかかる可能性がある。

トランプ氏が8日、ホワイトハウスで記者団に明らかにした。「彼はすばらしい人物だ」と謝意を示しつつも「退任といっていいのかはわからない」とも指摘。事実上の解任であることを示唆した。大統領首席補佐官はホワイトハウスの運営を統括するほか、法案成立に向けた議会との調整役も担う閣僚級ポスト。表舞台では目立ない黒子役に徹し、日本の官房長官と似た存在だ。

ケリー氏は元海兵隊大将で、2017年7月に国土安全保障長官から転じて大統領首席補佐官に就任した。トランプ氏の面会スケジュールを差配したり、大統領に渡す書類に問題がないか事前にチェックする仕組みを導入したりして政権運営の立て直しを図った。マティス国防長官とともに国際協調派とされる。

退任が発表されたケリー首席補佐官=AP

退任が発表されたケリー首席補佐官=AP

ただケリー氏に不満を示す政府高官も目立った。10月中旬にはボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)と不法移民対策をめぐって対立。ホワイトハウスで他の部屋に怒号が聞こえるほどの口論になった。大統領夫人のメラニア氏との関係も悪化していた。トランプ氏は7月末に20年11月までの続投を要請しケリー氏も受け入れたと報じられていたが、その後も退任説が飛び交っていた。

後任の人選も難航しそうだ。ペンス副大統領の首席補佐官を務めるニック・エアーズ氏が有力視されてきたが、同氏は9日、年末までにホワイトハウスを離れるとツイッターで明らかにした。米メディアによると、トランプ氏と就任期間をめぐって合意できなかった。ロイター通信はトランプ氏がムニューシン財務長官や共和党の保守強硬派「フリーダム・コーカス(自由議連)」代表のメドウズ下院議員を後任に検討していると伝えた。

政権に強い規律をもたらしたケリー首席補佐官(右)の退任で政権混乱に拍車がかかる可能性がある=ロイター

政権に強い規律をもたらしたケリー首席補佐官(右)の退任で政権混乱に拍車がかかる可能性がある=ロイター

ケリー氏の退任は他の高官の進退にも影響しそうだ。不法移民対策を仕切るニールセン国土安全保障長官にも退任説が尽きない。同氏はケリー氏の元部下で、ケリー氏が留任を訴えていた。

トランプ氏は20年の大統領選での再選に向けて人事刷新を進めている。11月上旬には、自身周辺とロシアの不透明な関係を巡る疑惑捜査を統括できないとしてセッションズ司法長官を更迭した。カネをめぐる疑惑が浮上するロス商務長官にも交代観測が出ている。トランプ氏は11月中旬の米メディアのインタビューで、3~5人の閣僚交代を検討していると述べていた。

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