ロシア、トランプ氏元側近に接触 15年秋
【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン被告が2015年11月に、トランプ氏とロシアのプーチン大統領の面会を設定できるとロシア人から提案されていたことが7日、わかった。このロシア人は16年の米大統領選を戦うトランプ氏に「政治的な相乗効果」を提供できると伝えていた。面会は実現しなかったが、大統領選でロシアが干渉した疑惑に米国民の関心がさらに高まりそうだ。

大統領選でのトランプ陣営とロシアの不透明な関係をめぐる疑惑「ロシアゲート」を捜査するモラー特別検察官が7日、連邦裁判所に提出した文書で明らかになった。トランプ氏は15年6月に大統領選に出馬を表明しており、ロシア側はトランプ氏が大統領選を戦うことを認識したうえで接触を試みたことになる。トランプ氏がコーエン被告とロシア人の接触を認識していたかは明らかになっていない。
コーエン氏は「信頼できる人物だ」と自称するロシア人と連絡をとり、トランプ氏とプーチン氏の面会を設定できると何回も提案を受けた。トランプ氏は当時、モスクワでの不動産ビジネスを進めており、ロシア側は面会をテコに事業を推進しやすくなると伝える意図があったとみられる。
トランプ氏は7日、モラー氏の文書公表に先立ち、ロシア疑惑の捜査を批判するツイートを連発した。「完全な魔女狩りだ」と非難したうえで、捜査が自身に不利になるよう偏向しているとの考えを繰り返し主張した。