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外国人受け入れ拡大、19年4月から 改正入管法が未明に成立

人材確保へ新就労資格

政府・与党が今国会の最重要法案と位置づけてきた改正出入国管理法が8日未明の参院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。深刻な人手不足に対応するため、2つの在留資格を新設して14業種で外国人労働者の受け入れを拡大する。2019年4月1日に施行する。従来認めていなかった単純労働分野への受け入れに道を開く政策転換となる。

新たな在留資格として「特定技能」を2段階で設ける。「相当程度の知識または経験を要する技能」を持つ外国人に「1号」の資格を付与する。最長5年の技能実習を修了するか、技能と日本語能力の試験に合格することが条件だ。在留期間は通算5年で家族の帯同は認めない。人手不足が深刻な介護や外食、農業、建設など14業種での受け入れを想定している。

より高度な試験に合格し、熟練した技能を持つ人は「2号」を取得できる。1~3年ごとに在留期間を更新できる。更新時の審査を通過すれば更新回数に制限はなく、事実上の永住も可能だ。配偶者や子供ら家族の帯同も認める。

1号で受け入れを想定する人数は5年間で最大34万5150人。政府は受け入れ業種や人数をさらに詰め、年内に発表する分野別の運用方針に詳細を明記する。建設と造船の2業種では数年の間は2号の導入を見送り、1号の在留者数などを踏まえて2号に移行するための試験内容などを検討する方向だ。

政府は「人手不足が解消されれば受け入れを停止する」などの原則を盛り込んだ基本方針を28日に閣議決定する。外国人の日本語習得の支援や、生活相談窓口の設置などの対応策もつくる。19年4月には法務省入国管理局を改組して、受け入れや在留管理を一元的に担う「出入国在留管理庁」を設ける。

法施行の2年後をめどには制度を見直す方針だ。経済情勢の変化や実際に運用して分かった課題に対応する。

政府・与党は当初、7日中の可決、成立をめざしていた。立憲民主党など野党5党派は「制度が詰まっておらず審議も不十分だ」と主張して採決に反対した。山下貴司法相や安倍晋三首相の問責決議案を相次いで参院に提出して抵抗した。問責決議案は与党などの反対多数で否決され、参院本会議での改正入管法の成立は8日未明までずれ込んだ。

参院法務委員会は本会議に先立つ8日未明、法案の採決に合わせて日本人の労働条件に配慮するなど10項目の付帯決議を与党と維新、国民民主党などの賛成で採択した。法相は成立後「国会でさまざま指摘されたことに責任を持って取り組んでいく」と語った。

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