2019年5月26日(日)

愛媛大が柑橘産業の研究拠点 復興や6次産業化支援

2018/12/8 7:00
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愛媛大学は7日、大学院農学研究科に「柑橘(かんきつ)産業イノベーションセンター」を開設したと発表した。西日本豪雨で痛手を受けた宇和島市などのミカン農家がいち早く立ち直り、一層の発展を目指すため、被災地の再整備や品種改良を支援する。幅広い産業界と県、市町村との連携を通じて6次産業化や後継者育成などにも取り組む方針だ。

かんきつ産業の復興と成長を目指しセンターを開設した愛媛大の大橋学長(中央左)ら(7日、松山市)

松山市の愛媛大樽味(たるみ)キャンパス内に1日付で設置した。センター長には農学研究科長の山内聡教授が就き、農学部を中心とした教員39人が兼任で所属。復興支援に関する情報収集などを担う地域連携室に加え、生産基盤や6次産業化など大きく4つのテーマごとに分かれた研究部門から構成する。柑橘類に特化した大学の研究拠点設置は全国でも珍しい。

2018年度は準備期間とし、宇和島市や西予市など豪雨被災地の災害復興本部や各種協議会に参加し、農地再編整備や防災対策を踏まえた提案を行う。農家へのアンケートを通じた意識調査も実施し、ニーズ掘り起こしも進める。

同センター設立の狙いについて大橋裕一学長は7日、「(栽培技術、遺伝子研究、園地管理、食品流通など)これまで培ってきた幅広いシーズを生かし、かんきつ産業の課題を解決したい」と語った。山内センター長は「愛媛のかんきつ産業の復興のみならず成長と発展に貢献したい」と力を込めた。

災害に強い生産基盤作りで同大防災情報研究センターと、栽培技術の開発や品種改良で愛媛県農林水産研究所と、6次産業化で民間企業と連携するなど、産官学で取り組む方針だ。本格的な稼働開始は19年度を見込む。

また宇和島市など南予地域にサテライトセンターを18年度中にも設置する方針。当面は常駐の人員は置かず、必要に応じて教員や学生らを派遣し、情報収集などの拠点とする。行政機関の施設内に間借りする方向で調整を進める。若手農家の育成に向けて、先端技術の情報を共有するための講演イベント「柑橘フォーラム」の開催も目指すとしている。

7月の西日本豪雨では、愛媛県内は多くのかんきつ産地が被害を受けた。県によると農作物や農地など農業被害額は10月時点で約463億円にのぼる。

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