駅員の助っ人に案内ロボ JR東、池袋駅などで実験

質問すればするほど回答の質も高まる――。JR東日本は7日、案内役を担うロボットを東京・池袋駅で期間限定で導入した。駅の利用客は増加基調にあるが、駅員の数には限りがある。これからはロボットが駅員の助っ人役になって支える仕組みを作る考えだ。
「東京駅に行きたい」「7番線の山手線に乗車してください」――。
こう答えたのは小型ロボット「ロボホン」だ。シャープと、ロボットサービスを支援するトランスコスモスが開発した。
特徴は質問内容に近い回答例を選んで答えるという人工知能(AI)の技術を活用していることだ。答えられなかった質問はロボットが記録し、後日、スタッフがその回答例をシステムに入力する。多くの質問が蓄積されれば、回答例も増えていくという訳だ。
JR東は2019年3月まで池袋駅のほか、東京、新宿など計6駅で案内サービスを実験する。ロボット以外にも利用者の質問にデジタルサイネージ(電子看板)が回答したり、利用者がQRコードで案内情報を入手したりするなど様々なパターンがある。使い勝手や利用状況などを検証していく。
騒々しい駅構内ではロボットが質問を正確に聞き取れるのかも重要になる。ロボホンにはタブレットを併設し、回答の理解を助ける。同社の技術イノベーション推進本部の佐藤勲さんは「遅くとも東京五輪パラリンピックには案内ロボットを導入できたら」と話す。
ロボットは駅構内に続々と「進出」し始めている。セコムや綜合警備保障(ALSOK)は来年1月以降、都営地下鉄の駅でロボット実験を開始。アームを使ってゴミ箱の中を調べるほか、不審者の検知機能を持つロボットも登場する。西武新宿駅でも警備ロボットが試験導入された。
一方、JR東は新宿駅に清掃ロボットを設けるなど様々な種類のロボットが出ている。