2018年12月13日(木)

イエメン和平協議開始、人道危機回避探る

中東・アフリカ
2018/12/7 12:47
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【イスタンブール=佐野彰洋】イエメン内戦の終結を目指す国連主導の和平協議が6日、スウェーデンで始まった。深刻化する人道危機の回避に向け、援助物資の搬入経路の確保で合意できるかが焦点となる。ただ、内戦はサウジアラビアとイランの代理戦争の色彩が濃く、和平への道筋は描けていない。

6日、協議の開始を発表する国連のグリフィス担当特使(右)(ストックホルム近郊)=ロイター

イエメン内戦は、2015年にイランが後押しするイスラム教シーア派の武装組織「フーシ」が首都サヌアを制圧。これに反発した隣国サウジが主導する連合軍が軍事介入し激化した。これまでに1万人以上が死亡し、「1200万~1400万人」(世界食糧計画)が飢餓の危機にある。

16年以来となる今回の協議にはフーシと暫定政権の双方が出席。紅海沿いの主要港ホデイダでの停戦やサヌアの空港利用再開で合意できるかが焦点となる。ホデイダは大半の援助物資の搬入拠点となっており、フーシからの奪還を目指すサウジ側が攻勢を強めていた。

6日、ストックホルム郊外で記者会見した国連のグリフィス担当特使は「和平プロセスを勢いづける重要な機会になる」と述べた。グリフィス氏は信頼醸成措置の一環として捕虜交換が合意に達したことも発表した。

今回、フーシと暫定政権が国連の和平協議の呼びかけに応じた背景には、後ろ盾のイランとサウジがそれぞれ以前のような軍事支援が続けられなくなっている事情もある。

サウジのムハンマド皇太子はサウジ人記者殺害事件への関与が疑われ、国際社会の厳しい批判にさらされる。米上院は近くサウジ主導の連合軍への支援停止を求める法案の審議に入る。イランは米国による経済制裁の再開で通貨が暴落するなど経済面での苦境が深まっている。

ただ、ホデイダの扱いなどを巡っては双方の溝はなお大きい。グリフィス氏も「(本格的な)交渉プロセスはまだ始まっていない」と述べ、早期に和平に向けた成果を得ることは難しいとの認識を示した。

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