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意外に早い野球選手の「旬」 データが示す現実
野球データアナリスト 岡田友輔

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2018/12/9 6:30
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今年も残りわずか。球界はストーブリーグが峠を越え、大物選手たちも続々と契約更改を済ませている。シーズンの成績にかかわらず、すべての選手に共通するのは、ひとつ年を取ったこと。年の瀬の今回は野球選手と年齢について考えてみたい。

野手のピーク28歳、投手は25~26歳

野球人生の「旬」はいつごろだろうか。かつての清原和博さんや松坂大輔のように高卒1年目から大活躍する選手もいれば、20代半ばでプロ入りし、30歳を過ぎて脂が乗る晩成型もいる。山本昌さんは50歳まで投げ、新井貴浩さんは39歳で最優秀選手に選ばれた。だが、一部のベテランの活躍をもって、選手寿命が延びたと結論づけるのは早計だ。

データアナリストの蛭川皓平氏は「セイバーメトリクス・リポート1」の中で野球選手と年齢の関係について分析している。1950~2010年の膨大なデータを分析した労作だ。打席数に基づいた年齢別の出場機会をみると、野手のピークは28歳である。ここを100とすると、20歳の選手の出場機会は16%、34歳では56%となり、40歳では5%となる。

投手の働き盛りはもう少し早い。投球回数に基づいたピークは25~26歳。ここを100とすると20歳で41%。野手より早熟である半面、34歳では33%まで落ちており、40歳では2%。燃え尽きるのも早いことがわかる。

パフォーマンスはどうだろうか。蛭川氏は18~40歳の選手を対象に統計学の手法を使い、成績の経年変化を追うことで年齢が与える影響を割り出そうと試みている。これはかなり複雑な作業となるうえ、分析者の判断によるデータの重み付けなども入るため、あくまで「仮想の平均的な選手」の数字である。それでも一定の傾向を示すものとして、十分参考になる。

図で示した通り、出塁率や長打率に基づいた野手の「得点獲得能力(wOBA)」は27歳で1打席あたり0.373点と最高に達する。今季、パ・リーグの最優秀選手に選ばれた山川穂高はまさに27歳だ。そのほか、一般論として以下のような傾向がある。

(1)四死球率は若い頃から上昇し、年齢を重ねても衰えにくい。

(2)三振率は若いうちは急激に減少するが、30歳前後から徐々に増える。

(3)打球数に対する本塁打の比率は20代前半まで上昇し、20代後半から下降に転じる。一方、単打の比率は変化が少ない。

(4)スピードが強みの選手は長打力が強みの選手よりも衰えが早い。

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