2018年12月14日(金)

「生姜真鯛」をブランド化 高知の水産業者が連携

サービス・食品
中国・四国
2018/12/7 7:30
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高知県内の水産事業者らが連携して同県西部の宿毛湾内で養殖した「生姜真鯛(しょうがまだい)」のブランド化に乗り出す。同県産のショウガを飼料に配合して与えることでくさみを減らし、うまみ成分を増やした。4月に稼働した加工場で切り身にして量販店などで使いやすくして出荷する。愛媛県産などに比べて劣る県産養殖魚のブランド力の向上をはかる。

衛生管理の徹底した工場で切り身を真空パック詰めにする(土佐西南丸の加工場)

養殖業者のマリンジャパン(宿毛市)など各社が企画し、飼料の開発や養殖魚での成長研究などをすすめていた。商標登録も実施し、10月から本格的に量販店などへの提案を始めた。

生姜真鯛は粉末にしたショウガを乾燥ペレットの飼料に混ぜて与える。ショウガ粉末の含有量などは明らかにしていない。ショウガ加工・卸最大手、あさの(香美市)が生産し、県産原料使用を保証した粉末を使う。

民間の検査機関に依頼した分析では、うまみ成分のグルタミン酸が一般の養殖マダイに比べて平均で約3割多かった一方、生臭さを感じさせるヘキサナールが少なかった。血中のコレステロール値を下げるエイコサペンタエン酸(EPA)が2割ほど多かった。

参加する各社が強みを持ち寄る。マリンジャパンは年間約80万匹のタイを出荷するマダイ養殖で県内トップ。県で唯一、周年で出荷が可能だ。直径18メートルの大型円形いけすで魚にストレスをかけずに育てるのも特徴だ。

水揚げしたタイはマリンジャパンの水揚げ場の目の前にある土佐西南丸の工場に運んで切り身などに加工する。同社は稚魚生産を手掛ける山崎技研(香美市)の子会社で、今年4月に加工場を稼働させた。1日あたり最大1500匹を処理する体制を構築した。大手量販との取引にも有利になる国際基準である「食品の危険度分析による衛生管理(HACCP)」を取得予定だ。

生姜真鯛は水産卸会社の山兆水産(須崎市)が卸販売する。年内には高知県のスーパー、サンシャインチェーン本部や沖縄県の量販店などで販売が始まるほか、年明けにはシンガポールなどへ冷凍輸出する。

取り組みは高知県の産業振興計画が掲げる「地産外商」にも沿っている。このため商工組合中央金庫高知支店は山兆水産に対して11月に、同計画の応援ローンとして運転資金2千万円を融資した。

生姜真鯛の浜値(産地取引価格)は高知県産の一般のマダイよりも1キロあたり数十円高い。ただ、競争力も重視し愛媛県産などより価格を抑えた。「高知のブランドが浸透し、魚との相性の良さもあるショウガは県外へのアピール力がある」(山兆水産の山本順也社長)という。

マリンジャパンの武内重喜専務は「活魚や鮮魚を問屋に出荷して終わりではなく、産地も消費者に近づいていくことが大事だ」と話す。3年後をメドに年間出荷量約80万匹のうち30万匹を生姜真鯛にする計画だ。各社はまた、タイだけでなくブリなど他魚種でもショウガを与えた養殖魚のブランド化を検討する。

(高田哲生)

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