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北海道の交通インフラ、再構築が急務 廃線・延伸…

北海道経済特集

人口減少が急速に進む北海道では、交通インフラの再構築が急務だ。鉄道ではJR北海道が単独では維持困難とする13区間の存廃を巡り、国も巻き込んだ議論が続く。切り札と期待された北海道新幹線は開業3年目で利用者の低迷にあえぐ。北海道内7空港の一括民営化に向けた運営権を巡る争奪戦も始まった。

JR北海道は2016年11月、人口減少で利用者が減り、同社単独では維持が困難とする13区間を公表した。2年が経過し、当初は反発していた沿線地域がJR北との議論に応じ始めている。一部の区間では廃線や路線バスへの転換を容認する動きが出ている。

国土交通省は7月、線路の修繕や青函トンネルの維持などのため、JR北に対して19~20年度に総額400億円程度の支援を決めた。同時に監督命令を出して、経営改善に努めるようJR北に求めた。赤字体質の同社はコスト削減や非鉄道事業での収益拡大を進める一方、19年秋の消費増税に合わせて運賃の引き上げも検討する。各自治体が鉄路維持へどれだけ財政負担をするのかも焦点となる。

16年3月に開業した北海道新幹線(新函館北斗―新青森)は開業効果が一巡し利用者が減っている。17年度は98億円の営業赤字を計上。今後も赤字が続く見通しだが、JR北が「収支の転換点」として期待するのが30年度を予定している新幹線の札幌延伸だ。

新ルートは訪日客に人気の倶知安や小樽などを経由する。来春には青函トンネルでの速度引き上げで、函館―東京が3時間台で結ばれる。現在の札幌駅から200メートル東側に造られることが決まった新幹線駅の設置により、札幌駅周辺の再開発も進む。

北海道の空を巡る改革も始まった。国は新千歳、函館、釧路、稚内の国管理4空港と市管理の帯広、旭川、道管理の女満別の計7空港を一括して民営化する方針だ。運営権売却に向け、国などは8~9月に1次審査を実施した。地元企業と三菱地所などが組んだ企業連合や、仏空港運営大手とオリックスの連合、仏パリ空港公団(ADP)の連合など4陣営が応札し、3陣営が19年春の2次審査に駒を進めた。

この2次審査を経て、19年7月ごろに優先交渉権者が決まる。道内7空港は20年6月以降、段階的に民営化される。今回のコンセッション(公共施設等運営権)の特徴は7空港を30年間、一括運営する点だ。新千歳以外の函館、旭川など6空港は赤字に苦しむ。国が管理する空港のなかで羽田に次いで高い収益力を持つ新千歳を「目玉」として打ち出し、国などは企業を呼び寄せて赤字空港の再建も目指す狙いだ。

地方に観光客などを送る二次交通も課題だ。道は鉄道からバスにスムーズに乗り換えられるような実証実験を道東地方で始めた。ただ人手不足により、運転手の確保ができないという問題にも直面している。

こうした問題を見据え、物流分野では鉄道と宅配業者が連携する「貨客混載」の実験が始まっている。佐川急便とJR北が乗客と宅配荷物を同じ列車に乗せて一度に輸送する。旅客向けJR会社が宅配物を運ぶのは全国初。人口減少にあえぐ地方の新たなモデルになるかもしれない。

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