2018年12月15日(土)

米中「協議期限は90日」 中国商務省が声明

米中衝突
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2018/12/5 21:07
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【北京=原田逸策】中国商務省は5日、アルゼンチンでの米中首脳会談後では初めて貿易摩擦に関する声明を出した。米中が構造問題などを巡って90日の期限を設けて協議する方針を明記。「明確なスケジュールに沿って積極的に交渉を進める」と協議の進展に意欲を示した。

アルゼンチンの米中首脳会談=ロイター

アルゼンチンの米中首脳会談=ロイター

12月1日の米中首脳会談では共同声明は出されず、米中がそれぞれ会談の合意事項を公表していた。米側は知的財産保護や技術移転強要など中国の構造問題を巡って2月末を期限とする最大90日間の協議を始めると公表した。

ただ、中国は「すべての追加関税の撤廃を話し合う」とするだけで、具体的な日程やテーマに言及していなかった。今回の声明では「90日以内に交渉を進める」と初めて認めたが、いつを期限とするかは触れなかった。

声明は中国が優先する事項について「共通認識に達した具体的な項目から実施し始め、それは早ければ早いほどよい」と指摘した。中国が米国からの輸入を増やすことは双方が一致している。このため5日の商務省声明を受け「中国はすぐに大豆などの関税を下げ、米国からの輸入を増やす」との見方が広がっている。

米ブルームバーグ通信は5日、中国当局が米国の大豆と液化天然ガス(LNG)の輸入再開の準備を始めたと報じた。トランプ米大統領は5日、ツイッターで報道を引用して「中国からの非常に強いメッセージだ」と歓迎した。

一方で中国の官製メディアは4日、米国産自動車の関税下げについて「具体策が出るのは年末ではないか」との観測記事を配信した。米中首脳は1日の会談で米国が2千億ドル(約22兆円)分の中国製品にかける追加関税10%を1月1日から25%に上げることを見送ることで一致している。中国側は米国が1月の追加関税上げを本当に見送るかを確認したうえで関税を下げる段取りを描いている可能性がある。5月に閣僚級合意を反故(ほご)にされた経験から中国はトランプ政権への警戒心を解いていない。

声明は今回の首脳会談について「非常にうまくいった。我々はその実現に自信を持っている」としたが、中国側が「実現」するのはあくまでも中国が主張する米中首脳間の共通認識。米側の具体的な要求を実現するかどうかはあいまいにしている。

実際、官製メディアが4日に掲載した評論は「我々は最善の結果が得られるよう努力するが、最悪の事態も想定しなければいけない」と指摘。協議が決裂して貿易戦争が再び深刻化する事態に言及している。

さまざまなメディア報道や声明を流すことで、国民が貿易摩擦の行方を過度に悲観したり、過度に期待を持ったりすることがないよう、中国共産党は慎重に世論形成を進めているとみられる。

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