2019年3月25日(月)

広島県、単科大学を新設 21年計画

2018/12/5 20:05
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広島県は5日、2021年4月に新大学を開学する方針を明らかにした。県立広島大学(広島市)を運営する公立大学法人の傘下に1学部の単科大学を設置する。地域社会が抱える課題の解決に取り組む人材の育成を目指す。新大学で県外への人材流出に歯止めをかける狙いもある。入試に個別の学力検査を課さず、4学期制にするなど新たなモデルを取り入れる。

県立広島大学の広島キャンパス(広島市)

県は再編構想に関する最終報告を同日、県議会の文教委員会で示した。新大学は1学年100人規模となる見込みで20人を留学生とする。開学に先立ち、20年4月に既存の「人間文化」「経営情報」の統合などで4学部11学科を3学部4学科に見直し、総定員数を180人減の2120人程度とする方針も示した。学長は両大学に置く。

専門的な知識や技能の習得を目指す従来の学部に対し、新大学では地域の課題を発見し、解決する能力を養成する。地方自治体や地元企業が実際に抱える課題を題材に少人数のグループワークや課外活動などを通し、解決に向けた実践的な取り組みを指導する。

課題解決の学習で活用するため、プログラミングやデータ分析などの科目も設置する方針。1年間を3カ月ごとに区切って集中的に学ぶ「クオータ制」を導入、海外留学やインターンシップなどに参加しやすくする。

専任の教員は20人程度となる見込み。うち外国人教員を4~6人程度配置し、留学生の受け入れなどを支援する。企業に勤める実務経験者も教員として迎え入れる。

グラウンドや図書館などは既存キャンパスの施設を共用する。グループワークなど少人数で使う教室は一部共用するが、必要に応じて新たな場所を確保する可能性を示した。県内の既存の大学は広島市内に少なく、郊外に偏っており、湯崎英彦知事は新大学の立地について「都心部に近いところがいいのではないか」との見方を示している。最終報告は12月県議会で議案として提出する。

学生の県外流出防ぐ

広島県が新大学を創設するのは県外への若者の流出を防ぐ狙いがある。県外から県内大学への進学などを差し引いた、高卒者の大学進学に伴う転出超は2018年度は1300人強だった。全国でも高知大学や愛媛大学は地域共生を掲げる学部を相次いで新設しており、地方国公立大学の生き残りをかけた改革の目玉にしている。

新大学の新たな教育モデルはそのカギを握るものだ。湯崎知事は新大学で育成する人材像について「地域の成長・発展を支える人材から世界を舞台に活躍する人材まで、多様で厚みのある人材をつくっていく」と話す。入学者選抜では個別の学力検査を課さず、高校での課外活動の実績などで判断する。卒業認定は課題解決型学習に対する姿勢などで評価をする。

4学期のクオータ制は「既存学部とは並列できない」(県幹部)として新大学として導入する。

ただ、全国でみれば地方の国公立大学は統合、再編の流れにある。県は新大学について「流れに逆行するものではない」(幹部)としているが、現時点では理念先行との指摘もある。開学まで約2年半。より具体的な大学像を早期に示すことが求められそうだ。(田口翔一朗)

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