「防疫徹底していたか」 豚コレラ、公共施設で不手際

2018/12/5 19:18
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岐阜県美濃加茂市の県畜産研究所で3例目の豚コレラ感染が確認された。岐阜市畜産センター公園に続き、民間の模範となるべき県の施設での不手際に、農家からは「あってはならないこと」と批判の声が上がり、専門家も「防疫体制は徹底されていたのか」と疑問を投げ掛ける。

豚コレラが発生した県畜産研究所で行われる防疫作業(5日午後2時46分、岐阜県美濃加茂市)=共同通信社ヘリから

「行政は甘く考えていたのではないか」。県内の養豚農家の男性は憤る。2例目となった畜産公園では、豚舎ごとに専用の衣服などを複数用意、使用すべきだったのに徹底していなかったことが判明。男性は「民間でも当然のようにやっていることなのに、また起きるとは」とあきれる。

宮崎大の末吉益雄教授(産業動物衛生学)は「同じ県組織でも、農家に衛生対策を指導する部署と生産を促進する部署で、意識に差があった可能性もある」と指摘する。

ただ、自治体が運営する研究施設は民間の養豚場より一層高い防疫体制が求められる。開発中のブランド種など希少価値の高い個体がいるためだ。通常は出入りする車両を消毒するゲートの設置や、職員の着替えに加え、所持品も紫外線で消毒するなど厳重な防疫体制を取っている。

県畜産研究所では、最初の感染確認から豚舎ごとに担当職員を固定し、専用の長靴を使うなど独自対策を取っていた。周囲のフェンスも毎週点検し、イノシシが侵入した形跡はないという。

2010年に宮崎県で発生した口蹄疫(こうていえき)では、同県畜産試験場川南支場の豚も感染し、特産ブランド「宮崎ハマユウポーク」が絶滅した。感染経路は断定されていないが、施設に出入りする部外者も必ず浴びるシャワーを試験場の職員は利用していなかったことが発覚し、批判を受けた。

末吉教授は「来訪者の記録などが残っており民間より検証しやすいはず。体制が整っているべき施設で発生した影響は大きく、野生動物の侵入防止策を含め原因究明を急ぐべきだ」と話している。

〔共同〕

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