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改正原賠法が成立 仮払金の貸付制度を新設

原子力発電所の大事故に備える改正原子力損害賠償法は5日、参院本会議で自民、公明両党や国民民主党などの賛成多数で可決、成立した。被災者を早期に救済するため、国が電力会社に仮払金を貸す制度を新設する。原発事故に備えて電力会社に用意を義務づける賠償金額の据え置きには立憲民主党などが反発し、採決での賛否が割れた。

立民の杉尾秀哉氏は5日の本会議で政府案を「単なる現状追認のお茶にごしにすぎない」と批判した。電力会社に義務づける賠償金の準備を最大1200億円に据え置いたためだ。東京電力福島第1原発事故の賠償額は8兆円に膨らんでいる。政府内でも準備金の引き上げは検討されたが、電力会社などの反発が強く見送った経緯がある。

立民は国内の全原発の即時停止と再稼働禁止を公約に掲げる。杉尾氏は原賠法1条にある「原子力事業の健全な発達」とのくだりも削除すべきだと主張したが、受け入れられなかった。

野党でも国民は政府案に賛成した。玉木雄一郎代表は11月21日の記者会見で「賛同することは難しい法案」と述べた直後に、衆院文科委で同党が賛成した。野党側は賠償措置額の引き上げなどを求める修正案を出したが否決され、国民はその後政府案の賛成に回った。同党には電力総連の組織内議員がいる。

ただ、野党が採決を妨害する抵抗はみせなかった。4日の参院文教科学委員会では自公に加え立民、国民、自由党と社民党の統一会派「希望の会」がそろって付帯決議の採択に賛成した。反対は共産党だけだった。

現行法の適用期限は2019年12月までだ。今国会で改正案が成立しなければ被災者の賠償が不安定になる可能性があり、野党も徹底抗戦しにくい事情もある。野党筆頭理事の神本美恵子氏(立民)は「参院では付帯決議で中身のない政府案を補うべきだと考えた」と話す。

付帯決議には野党の求めにより、原発事故をめぐる損害賠償の紛争解決センター(ADR)が紛争の解決を促す指針を策定することを盛り込んだ。賠償額の引き上げについては「必要に応じて慎重な検討を行うこと」とした。

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