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「小さな巨人」今平周吾に学ぶ飛ばしのヒント
編集委員 串田孝義

2018/12/8 6:30
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男子ゴルフの2018年賞金王に輝いた今平周吾(26)は身長165センチ。12年賞金王の藤田寛之(168センチ)よりさらに小柄な「小さな巨人」は今季、平均飛距離287ヤード(32位)を記録した。もちろん、世界で戦う上では「飛距離が課題」となるものの今平は決して飛ばない選手ではない。

今季はブリヂストンオープン優勝の1勝にとどまった。それでもマッチプレーを含め14戦でトップ10入り、予選落ちも2回だけと抜群の安定感。この1年の戦いを通じてアマチュアにも参考になるスコアメーク、飛ばしのヒントを探った。

今平(中)は小柄だが、抜群の安定感で今季賞金王に輝いた

今平(中)は小柄だが、抜群の安定感で今季賞金王に輝いた

柔軟性高め飛距離生む

「今すぐにでも海外にフル参戦したい気持ちはある。課題は飛距離。体の柔軟性をもっと高めて飛距離を伸ばしたい」

賞金王にMVP、平均ストローク、バーディー率、平均パットなど今季の男子ツアーで6冠を獲得した男子ツアーの表彰式後のコメントだ。

今平は今季、専属トレーナーと契約し、肩甲骨と股関節の可動域を広げる肉体改造に取り組んだ。小さな体をフルに使って飛ばすのでもともと故障がち。2年前の開幕戦、シンガポールオープンでは初日スタート直前の練習中に腰を痛めて欠場を余儀なくされたこともある。

ホールアウト後もショット練習より風呂場でチューブを引っ張り、胸郭を広げて肩甲骨が動くようにするトレーニングを欠かさない。重いものを持って大きな筋肉のよろいをまとうトレーニングとは一線を画し、石段登りなど自分の体重を負荷にした地道な練習で体幹の骨周りの筋肉を刺激し、柔軟性を高めた。

短く持って「ミート率」重視

「クラブを短く持つと距離が出ないとよくいわれるけれど、僕の場合、目いっぱい長く持っても短く持っても距離は変わらない。振りやすくなり、方向性は向上する」

これはツアー最終戦の日本シリーズJTカップで初の賞金王を決めた記者会見でのコメント。

今平の実家は20年東京五輪ゴルフ会場となる霞ケ関CCにほど近い。小学生で通い始めたゴルフスクールで基礎を学んだが、「中学からは自分で打ちやすい方法を考えていった」。どのクラブでもグリップを2~3センチほどあまらせて握るグリップは「気付いたらそうなっていた」というぐらい、今平にとっては自然なことだった。

今平はクラブを短く持ち、高いミート率で球をとらえる=共同

今平はクラブを短く持ち、高いミート率で球をとらえる=共同

飛ばしの要素としてヘッドスピード(HS)の重要性は語り尽されているが、せっかくスイングで生み出したパワーを効率よくボールに伝えていなければ飛距離は落ちる。HSより「ミート率」が大切だ。

体の柔軟性を高めることでスイングアークを大きくするよう努めるが、クラブは逆に短く持って高いミート率で球をとらえる。だから飛距離は変わらず、曲がらない。

今平のキャディーもこう証言する。「これほどフェースの芯に当てる選手はいない。練習場で打った後のクラブのフェースとソールを見ていても、土がはまっているのが芯だけ」。試合が続くと、自然にスイングに力が入るようになる。そんなときの今平はいつも同じ微修正を口にした。「スイングをコンパクトに」

「僕のいいところは曲がらないショット。ドライバーもアイアンもドローボール。アプローチはサンドウエッジ一本」

これは08年日本ジュニア(霞ケ関CC)に高1で出場し、最終組を1学年上の松山英樹らと回って優勝した試合後のコメント。当時から今平の秀でたゴルフ感性がうかがえる。

同じモデルのウエッジ2本

10年後の今季、今平は夏から同じメーカーの同モデルのウエッジ(60度)2本をバッグに入れている。ずっと使い続けているものと新調したもの。使いこんでいるものはフェースの溝が減っているので、転がしたいときは古い方、スピンをかけたければ新しい方を選択する。

ツアーでただ一人60台を記録した平均ストローク(69.92)の向上に直結したのが1位の平均パット(1.7333)であるのは間違いないが、4位から2位へと上昇したパーキープ率(87.52)の改善の貢献も大。グリーンを外しても巧みなアプローチでOKパーにつける小技の感性に磨きがかかった。

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