2018年12月19日(水)

英議会、離脱案審議開始 11日採決、過半数のメド立たず

Brexit
ヨーロッパ
2018/12/5 5:36
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【ロンドン=中島裕介】英議会下院は4日(日本時間5日未明)、英国と欧州連合(EU)で合意した離脱案を受け入れるかどうかを決める審議を開始した。5日間の審議を経て11日に採決する。ただ残留派と離脱派の双方が離脱案を批判しており、過半数を確保する見通しは全く立たない。否決されれば経済や市民生活が混乱する無秩序離脱が現実味を増すため、メイ首相がどこまで反対派を切り崩せるかが焦点になる。

メイ英首相は「離脱案が最善の案だ」と訴える=AP

メイ首相は審議の冒頭、与野党議員に「離脱案への皆さんの支持をお願いしたい」と強い口調で訴えた。議会での否決は無秩序離脱につながると改めて警告したうえで、再国民投票の実施については「国を悪い形で分断させる」と否定した。

一方の野党第1党のコービン党首は、離脱案に与野党から反対の声が上がっていることを念頭に「統治できない政府は辞めるのが英国の伝統だ」と首相の政権運営を批判した。

上院は実質的な影響力を持たないため、下院での審議が勝負になる。ただ大きな局面変化がないままでは、離脱案は否決される可能性が高まっている。

下院の定数650のうち、採決に参加するのは議長などを除いた639。過半数には320票が必要だが与党は満票でも324票しか持っていない。多くの地元メディアは保守党内だけで反対が90~100票まで膨らんだと分析しており、10議席の閣外与党・民主統一党(DUP)も反対の構えだ。

メイ首相は先週以降、地方視察やメディアでの積極的な出演で離脱案をアピールしてきたが、議員の間での支持は広がっていない。離脱案が否決されてもEUとの再交渉などの道は残るが、与野党双方から退陣を迫られる可能性もありそうだ。

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