2018年12月19日(水)

EUデジタル課税、年内合意断念 財務相理事会

ヨーロッパ
2018/12/4 18:00
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【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)は4日開いた財務相理事会で、米グーグルなどIT(情報技術)分野の大企業を主な対象とする「デジタルサービス税」を協議したが、目標としていた年内合意を断念した。欧州委員会は3月、IT大手のEU域内の売上高に税率3%で課税する案を提出していた。同案の推進派のフランスはドイツと連携して課税対象を絞る妥協案を示し、2019年3月までの決着をめざして議論を続ける。

デジタル・サービス課税を提案するモスコビシ欧州委員(3月、ブリュッセル)=欧州委員会提供

IT大手への課税を巡っては、現行の国際課税ルールでは税逃れを防げず、税負担が不公平になっているとの不満が広がる。このため欧州委は3月に(1)中長期的な課税ルールの抜本見直し(2)抜本見直し実現までの「暫定措置」として課税対象を従来のEU域内の利益から売上高に切り替える「デジタルサービス税」の導入を提案していた。

しかし、デジタルサービス税の導入にはEUの全加盟国の承認が必要となる。低税率で米IT大手を誘致してきたアイルランドなどが反発。米国からの「報復」を警戒するドイツなども、国際的な課税ルール見直しの議論を見極めるべきだと早期導入に慎重な姿勢を崩さず、調整が難航してきた。

フランスは協議の行き詰まりを打開するため、これまで慎重だったドイツを巻き込んだ妥協案を4日の理事会で提示した。欧州メディアによると、新提案では税率は3%を維持する一方で、課税の対象を広告の売り上げに絞り、データの売り上げなどは除外する。21年までに国際的な解決策が得られなかった場合にのみ発効する仕組み。加盟国に遅くとも19年3月までの合意を呼び掛ける。

デジタル課税を巡っては19年3月にEUを離脱する英国が20年4月から単独実施する計画を発表済み。スペインやイタリアなどもEUとしての合意が遅れれば独自課税に踏み切る構えだ。EUの議長国オーストリアによると、10以上の加盟国が個別課税する案を検討中で、合意が遅れれば国ごとに対応がばらつき、域内のデジタル市場統合を進めるEUにとって大きな痛手となる。

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