2018年12月18日(火)

就職志望、医薬品が首位 銀行は8位に後退

就活
サービス・食品
2018/12/4 14:51
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就職情報サイトのディスコ(東京・文京)が2020年卒の就活生を対象とした11月の志望業界調査で、前年1位だった銀行が8位に下がった。現在の調査方法を導入した11年以降、基本的には銀行は首位が定位置だった。19年卒から銀行が一般職を中心とした採用抑制を進めたためか銀行人気が下がったが、20年卒でも「銀行離れ」の動きが広がりそうだ。

調査は11月中旬以降にインターネットを通じて実施し、20年春に卒業予定の学生モニター1207人から回答を得た。学生には全40業界から5つまで志望業界を選ばせた。銀行は全体(文系男子、文系女子、理系男子、理系女子の合計)で、前年同月比4.4ポイント減の14.5%だった。

文系男子、文系女子ではともに銀行の志望順位は2位だった。いずれも昨年は1位だったが、文系男子で8.0ポイント、文系女子で6.2ポイント減少し、全体では8位に落ちた。これまでの銀行は全体でも20%台後半から30%台前半の水準だった。

銀行業界では従来の大量採用を見直し、採用抑制を進めている。ディスコの武井房子上席研究員は「昨年秋に大手銀行が採用抑制の方針を示して以来、総合職より一般職や地域限定の職種で門戸が狭まっているからと、学生の中で敬遠する動きが出てきている」と指摘する。

人工知能(AI)やPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用により、学生が将来自分の仕事がロボットに奪われる可能性を意識し始めた影響もありそうだ。

全体で首位に立ったのは「医薬品・医療関連・化粧品」業界。前年は6位だったが、理系女子に限ると46.3%と人気が集中した。「素材・化学」も前年9位から3位に上がった。

一方、志望業界が「決まっていない」という学生は26.7%で前年から2.3ポイント増えている。武井上席研究員は「全体的に売り手市場という要因もあり、業界を絞らずに働きやすい環境かどうかという基準で就活を進めている学生が多い印象」と分析している。

近年は売り手市場が続き、20年卒もさらにその傾向が強まると見込まれるが、学生のマインドには変化が出てきたようだ。1学年上(19年卒)と比べた就職戦線の見通しについて聞いたところ、「非常に厳しくなる」が2.8%で、「やや厳しくなる」は55.1%。合計は前年調査から8.3ポイント増えた。

学生からは20年夏に開催される東京五輪に言及した声が多かった。「五輪需要が終わってしまう」など、厳しいと考える慎重派は五輪に向けた人材の需要もピークを越えたとみているようだ。また「売り手市場と言われてもいても人気の大手には希望者が殺到する」と冷静な分析もあった。

就活の中心となる企業の規模を聞いたところ「業界トップ企業中心」が19.5%、「大手企業中心」が41.1%だった。大手ねらいの学生は計60.6%で、前年から5.0ポイント、2年前から11.5ポイント増加した。

これについて武井上席研究員は「売り手市場でも1年上の先輩が大手企業に決まらなかったのを見て危機感が高まっているのではないか。21年卒からの採用日程ルールを巡る混乱から、結果的に20年卒から前倒しが進む警戒感から不安を抱く学生もいる」との見方を示した。(小柳優太)

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