2018年12月19日(水)

米共和党、トランプ色に染まる 去りゆく反対派 (グローバルViews)
ワシントン支局 中村亮

トランプ政権
グローバルViews
コラム(国際・アジア)
北米
2018/12/7 3:00
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トランプ米大統領に異を唱えてきた与党・共和党議員が、2019年1月招集の新議会で姿を消す。トランプ氏の人権軽視やスキャンダルを身内から追及してきた反トランプ派の退場は、トランプ氏が進める「米国第一」を先鋭化させるリスクになる。20年の大統領選でもトランプ氏の対抗馬は見当たらず、共和党は「トランプ党」の様相を強めそうだ。

ライアン下院議長も48歳の若さで引退する(3日、ワシントン)=ロイター

ライアン下院議長も48歳の若さで引退する(3日、ワシントン)=ロイター

「ホワイトハウスはまるでサウジアラビアのPR会社じゃないか」。共和党のボブ・コーカー上院議員は記者殺害事件に関わったサウジ政府との協調を訴えるトランプ政権を強く批判する。11月下旬には事実上の最高権力者のムハンマド皇太子の事件への関与を明確にするよう要求。人権侵害に関わった人物に制裁を科す法律に基づいた要請で、政権には関与を明確にする義務が生じた形だ。

だがコーカー氏は19年1月に議会を去る。国際協調に背を向ける「米国第一」の外交方針は第3次世界大戦につながりうると糾弾したり、16年の大統領選での応援を拒んだりしてトランプ氏と関係が悪化。不仲が先鋭化すると共和党支持層の人気が下がり、17年秋には18年11月の中間選挙に出馬しない方針を決めた。

反トランプの急先鋒(せんぽう)のジェフ・フレーク氏も再選を断念したひとりだ。議会では、16年の大統領選でのトランプ氏周辺とロシアの不透明な関係を巡る疑惑「ロシアゲート」を捜査するモラー特別検察官を解任から守る新法を野党・民主党と連携して訴えている。伝統的な保守派ライアン下院議長も48歳の若さで政界を引退する。

■「トランプ氏にあこがれて出馬」

代わりに共和党に加わるのは親トランプ派の議員たちだ。コーカー氏の後任の座を射止めたマーシャ・ブラックバーン氏は選挙戦で「すばらしい政権運営をありがとう」とトランプ氏を礼賛した。インディアナ州上院選で民主党現職を破った実業家マイク・ブラウン氏も「トランプ氏にあこがれて出馬を決めた」と豪語する。

共和党は下院で多数派を民主党に奪われたが上院(定数100)では53議席と改選前から2議席増やした。上院は政府高官や連邦裁判所判事を承認する権限があり、トランプ氏の意向が通りやすくなった。すでに環境保護局(EPA)長官候補には鉄鋼業の振興を訴える元ロビイストを起用する方向で調整を進めており、年明けにも承認手続きが始まる見通しだ。

共和党内では「20年の大統領選の共和党候補は現時点でトランプ氏しかいない」(関係者)との声がもっぱらだ。支持率も40%台を断続的に維持しているように保守派の支持は固い。来年には米景気が減速して支持率にも影響が出るとの見方もあるが、現時点ではトランプ降ろしの動きは目立たない。

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