2018年12月15日(土)

米中90日協議、期限は19年2月末 米は強硬派が主導

トランプ政権
米中衝突
貿易摩擦
中国・台湾
北米
2018/12/4 4:23 (2018/12/4 8:51更新)
保存
共有
印刷
その他

【ワシントン=鳳山太成】米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は3日の電話記者会見で、知的財産権保護など中国の構造改革を巡る米中協議について、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が責任者を務めると明らかにした。過去の協議は穏健派のムニューシン財務長官が率いてきた。主導権が対中強硬派に移ることで、2019年2月末を期限とする90日間の協議は厳しい内容になりそうだ。

強硬派のライトハイザーUSTR代表が対中協議を主導する=AP

強硬派のライトハイザーUSTR代表が対中協議を主導する=AP

米ホワイトハウスは1日の米中首脳会談後の声明で、2千億ドル(約23兆円)分の中国製品に対する制裁関税の10%から25%への引き上げを猶予すると発表した。19年1月1日に引き上げる予定だった。今後90日間協議して合意できなければ25%に引き上げる。

クドロー氏は会見で90日間について「(19年)1月1日から始まる」と説明したが、ホワイトハウスは後で「12月1日」と訂正した。19年2月末までが猶予期間となる見通しだ。3月上旬の中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)開幕直前に期限を設定し、習近平(シー・ジンピン)国家主席ら中国指導部に譲歩を迫る思惑もあるとみられる。

協議を率いるライトハイザー氏は中国の知財侵害を厳しく批判し、制裁関税の発動を担ってきた対中強硬派の代表格の一人だ。北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で数量制限や為替条項をカナダやメキシコにのませるなど厳しい交渉姿勢で知られ、トランプ大統領の信認は厚い。19年1月にも始まる日本や欧州連合(EU)との通商交渉も担当する。

これまでの米中閣僚級協議はウォール街出身で金融市場の安定を重視するムニューシン氏が責任者を務め、習氏の側近として知られる劉鶴副首相と進めてきた。5月の協議では中国が農産品やエネルギーの輸入を増やすことで合意し、両者が制裁関税を棚上げすると宣言した。だが直後にトランプ氏が制裁関税の発動を表明し、中国側には米政権の交渉姿勢に不信感が広がっていた。

クドロー氏は協議について「(中国の)補助金にも取り組む」と指摘した。ホワイトハウスの1日の声明では知財侵害や技術移転の強要など議題に挙げていたが、補助金には触れていなかった。ロボットなど特定産業に補助金を重点的に投じる中国のハイテク産業育成策「中国製造2025」にも議論の対象が広がる可能性がある。

中国が米国の自動車や農産品に課している報復関税は「中国が速やかに取り下げると期待している」との認識を示した。中国は米国産の乗用車に25%の報復関税を上乗せして40%の関税をかけているが「ゼロに向かうと期待している」という。トランプ大統領は2日、ツイッターで中国が自動車関税を引き下げることで同意したと明らかにしていた。

ただ中国は声明で「あらゆる追加関税の取り消しに向けて協議する」としている。クドロー氏は協議の進捗に関わらず中国が報復関税を取り下げるとの認識を示したもので、米中で意見が食い違っている。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報