スルガ銀の有国社長会見「外部の知見導入に力」

2018/11/30 20:17
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スルガ銀行は30日、金融庁への業務改善計画の提出を受け、静岡県沼津市で会見を開いた。外部人材の知見を取り入れたガバナンス(企業統治)の立て直しが柱。営業面については、有国三知男社長が「静岡や神奈川の地方部に向けた商品を開発する」と語った。ただ、従来の収益の柱を失った状況での再建は容易ではない。

記者会見でガバナンス再構築などを説明する有国社長(30日、沼津市内)

「外部の知見を導入することに力を入れた」。

有国社長は会見で改善計画をこう総括した。弁護士など外部の人材を起用し、不適切融資がまん延していた同行の企業統治を再構築する。2019年の早い段階で予定する経営陣の刷新でも「外部からの起用は検討している」と言明した。他社との提携にも、引き続き意欲を示した。

不適切融資に歯止めが掛からなかった背景には、過大なノルマがあった。有国社長は「18年下期は撤廃し、19年4月から新たな目標を検討している」と、ノルマを見直す方針を示した。シェアハウス所有者の返済条件の見直しについては「(元本カットの)踏み込み方はこれから」と慎重な言い回しとなった。

不適切融資を引き起こした企業風土は、長年の創業家経営の負の側面だ。創業家の関係企業への融資について、有国社長は「創業家に対して具体的、現実的な返済計画の策定を求めている」と語った。ただ、創業家とは融資、持ち株など密接なつながりがあり、関係の清算が速やかに進むかは見通せない。

「(預金は)10月以降、足元で落ち着きを取り戻している」。4~9月期にかけて続いていた預金流出には歯止めがかかったと説明した。日銀と連携体制を整えたことも強調した。

ガバナンスの再構築後は、金融機関としての稼ぐ力が問われる。

有国社長は「ここ数年、投資用不動産に傾斜してきたが、困った顧客の課題を解決する商品を置き去りにしてきた。もう一度強化していく」と語った。リテール(個人向け金融)を軸に、小規模の「ニッチ」市場をひき付ける商品の開発に取り組む考えだ。IT(情報技術)部門で開発した製品を外販する方針も明らかにした。

こうした施策で、収益源だった投資用不動産融資を失った後の事業の再構築を図る。静岡県や神奈川県の西部といった「地元」にも経営資源を投入する考えだ。「新しいスルガ銀行をつくる」。有国社長が繰り返してきた言葉を、19年4月から始める新しい中期経営計画で具体化できるかが問われる。

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