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人の評価に惑わされない ブラック・ジャックに学ぶ事

もしブラック・ジャックが仕事の悩みに答えたら(第1回)

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日経トップリーダー
もしも天才外科医のブラック・ジャックが現代のビジネスパーソンの悩みに答えたら、どんなセリフを言うだろう。核心をズバリと突いた洒脱(しゃだつ)な一言で必ずや、私たちの迷いを断ち切ってくれるに違いない――。

本連載は各話3部構成。
(1)[ある職場で] よくあるビジネスパーソンの悩みやボヤキを紹介します。
(2)[ある一話] (1)のヒントになりそうな『ブラック・ジャック』の物語を紹介します。
(3)[ここに注目] (2)の物語が(1)の悩みやボヤキにどんなヒントになるかを考えます。

[ある職場で]過労で倒れた元エース社員の悩み

中堅商社で10年間、営業として活躍してきたAさん。若手の頃から業績優秀表彰をたびたび受け、同期の中で2番の早さで係長に昇進した。しかし、初めて経験するプレイイングマネージャーの忙しさとプレッシャーは想像を超えていた。「予算必達!」と頑張るうちに、過労でダウン。昨年、総務部に異動となった。

リハビリ的な配慮から負担の軽い部門に配置されたと、周囲も自分も理解していた。

しかし、実際に従事してみると、総務部の仕事は思いのほか幅広くて大変だ。社内システムや設備管理に社内広報、ISOの資格更新……さらに社長発案のボランティア活動の立ち上げなど、どこが担当すべきか分からない仕事は大抵、総務に回ってくる。

手始めにAさんが任されたのは、備品や設備の管理だった。電球が切れたりすると、部署からの依頼を受けて補充する。確実に遂行しても誰からも褒められない。しかし、届ける電球の型番間違いなど、うっかりミスをしたときは、しっかり文句を言われる。「割に合わない仕事だな」と感じていた折、一緒に飲みに行ったかつての同僚に「おまえは電球を替えて給料がもらえるんだからいいよな」と、しみじみと言われ、かなり落ち込んだ。

総務の仕事は成果が見えず、営業に比べて報われにくい。そう痛感した。

それでも「誰かがやらなければならない必要な仕事。やるからには全力を尽くそう」と、目の前の仕事に精一杯取り組んだ。備品管理では、総務部にあった過去のデータを分析し、各部署で欠品する時期を予測。「そろそろ、何を何個くらい補充する時期ですよ」と、自動的にお知らせメールを送る仕組みをつくった。すると、アシスタントの人たちから「これ、便利です!」と、感謝のメールが何通か舞い込んだ。小さなことだが、それはそれでうれしいものだ。

そんなとき、全社的な働き方改革の取り組みとして「労働時間短縮プロジェクト」が始まることを知った。人事部の社員が中心メンバーになるはずだったが、過労でダウンした経験を持つAさんは「絶対やりたい!」と、自分から手を挙げた。その熱意を買われ、参加させてもらうことになった。

だが、時短プロジェクトには、最初から逆風が吹いていた。稼ぎ頭である営業部門の抵抗が強かったのだ。現場からは「ノルマは減らないのに残業だけ減らせなんて」とこぼす声が聞こえてくる。確かに、自分の営業時代の経験を振り返れば、もっともな意見だ。

そこでAさんは、まず「働き方改革ヒアリング」を実施することにした。一方的に、「労働時間を短縮しろ」と指示するのでなく、まず現状を把握しようというものだ。今現在、どれだけの業務があり、どんなプロセスで進められているのか。その中に、ボトルネックとなっているポイントはないか。複雑な要因を解きほぐすのが改善の第一歩。そう考えて、営業社員との個別ミーティングを設定しようとしたところ、ブーイングの嵐にさらされた。

「そんな時間があるかよ、死ぬほど忙しいのにさ」

「ミーティングしたところで、抜本的な改善策が提案できると言い切れるのか」

「そんな暇があるんだったら営業を手伝ってくれよ」 こうした現場の反応に遭うとAさんは、営業の気持ちが分かるからこそ思い悩んでしまう。頑張れば頑張るほど疎ましがられる現状に、熱意が揺らいでしまうのだ。

この事例にブラック・ジャックのある一話を思い出した。

[ある一話]六等星

「ダーン ダーン」

「ドドーン ドドー...

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