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ナマハゲの継承に尽力 大切な文化、後世に

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に「来訪神 仮面・仮装の神々」の登録が決まった。秋田県男鹿市の双六地区で、来訪神の一つ、「男鹿のナマハゲ」の継承に尽力してきた保存会会長、三浦幹夫さん(69)は「こんなうれしいことはない」と喜びの声を上げ、「先輩から引き継いだ大切な文化。絶対に絶やしてはいけない」と気を引き締める。

ユネスコの無形文化遺産に「男鹿のナマハゲ」の登録が決まり、喜ぶ三浦幹夫さん(29日、秋田県男鹿市)

双六地区は日本海に面した小さな漁師町。地元の海洋高校を卒業後、神奈川の水産会社で、マグロ漁船の乗組員として世界を回った。無形文化遺産の登録が審議されたモーリシャスも、燃料や水の補給で寄港した思い出の地だという。

ナマハゲを本格的に始めたのは、水産会社を約10年で退社し地元に戻った際に、先輩から「やってみないか」と声を掛けられたことがきっかけだった。

初めての大みそかの晩は伝統を背負うプレッシャーでいっぱいだったが、訪れた家の子供は恐怖で泣きじゃくり、気がつけば「怖い神様」になりきっていた。人々に感謝される喜びもあり、欠かさず大みそかにはナマハゲにふんするようになった。今では「僕の人生そのもの」だという。

36歳まで地元の民間企業に勤めた後、母校の高校の教諭に。生徒に地元の伝統を伝えようと、ナマハゲの姿で太鼓を演奏する「なまはげ太鼓同好会」(現・郷土芸能部)を設立し顧問に就いた。ナマハゲは伝統的に男性が装うが、部の半数が女子の年もあるという。

双六地区のナマハゲの担い手は現在5人で、平均年齢は約70歳。「僕たちが死んだらこの地区のナマハゲは絶える」と厳しい表情を見せる。高齢化が進み、迎え入れる家の減少も深刻だ。「今年は子供や孫が帰省しない」「もてなすためのお膳の準備が大変」と断られることも増えた。

ナマハゲに関心を持ってもらおうと、2003年ごろに地元の秋田大や国際教養大の留学生を地区に呼び、大みそかにナマハゲを体験してもらう試みを始めた。最初はぎこちなかったが「男鹿の伝統を共有できるなんて最高だ」と好評だ。

外国人がナマハゲになることに、批判的な声もあるという。しかし、国籍も性別も関係なく、いろんな人にナマハゲを知ってもらいたい思いが強い。「伝統を絶やすは簡単、守るは困難。登録をきっかけに『ナマハゲをやりたい』と手を挙げてくれる人が一人でも増えれば」と期待する。〔共同〕

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