2019年3月21日(木)

FRB、12月利上げ検討 停止・減速の可能性も

2018/11/30 5:58
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【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は29日、11月7~8日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表した。「政策金利の引き上げが近く正当化される」として、12月の次回会合で今年4回目の利上げを検討する。ただ、参加者の多くが景気の先行き不安を指摘。これまでの四半期おきの機械的な利上げを一時停止するか、減速する可能性を示唆した。

パウエルFRB議長=AP

11月の前回会合では追加利上げを見送った。ただ、足元では失業率が約48年ぶりの水準に低下するなど米経済は堅調で、大半の参加者が「追加利上げは近く正当化される」と指摘。12月18~19日の次回会合で引き締めを検討する考えを示した。先物市場でも8割強の確率で既に12月の利上げを織り込んでいる。

むしろ金融市場が注視するのは19年以降の利上げペースだ。政策金利は2%強となり、景気を過熱させず冷やしもしない中立水準に近づいている。パウエル議長は28日の講演で、利上げの打ち止め時期が近づいていると示唆。29日公表した議事要旨でも数人の参加者が「政策金利が中立水準に近づいて、追加利上げは景気を過度に減速させる」との懸念を表明した。

11月の会合では米景気の先行きを議論し、数人は「財政や貿易政策に関連した不確実性が増している」と強調した。何人かの参加者は「海外経済の減速とドル高が米経済の下振れリスクになる」と指摘。民間部門の負債の積み上がりを不安視する参加者もおり、19年以降の景気の減速を警戒する声が噴出した。

そのため参加者は「金融政策はデータ重視であるべきだ」とし、四半期ごとの機械的な利上げサイクルを一時停止する考えを示唆した。FOMC後に公表する声明文も、これまでの「段階的な利上げ」との文言を変更すると明記。「委員会は柔軟に運営する」として、19年以降は物価などを見極めて、利上げを慎重に判断する考えを示した。

FOMCは9月の会合で19年の利上げ回数を3回とする政策シナリオを公表している。20年まで利上げを続けて政策金利を3.5%まで引き上げる考えだったが、FOMCが中立水準と判断する政策金利は3.0%(参加者の中央値)だ。12月の会合では19年以降の利上げペースも公表する予定で、利上げサイクルの停止時期をどう表現するかが焦点となる。

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