2018年12月13日(木)

独バイエル、1万2千人を削減 全体の1割

ヘルスケア
ヨーロッパ
2018/11/30 0:32
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【フランクフルト=深尾幸生】医薬・農薬大手の独バイエルは29日、全従業員の約1割にあたる1万2千人を2021年末までに削減すると発表した。削減は種子大手の米モンサントを買収した農業関連部門と、本社機能の人員が中心。同社はモンサント買収などに関連して株価が年初から約4割下落している。合理化を打ち出し、株式市場にアピールする。

バイエルの農薬部門の本部(独西部モンハイム)

主にドイツ国内の人員が対象になる。本社機能や間接部門で5500~6千人、農業関連部門は4100人を見込む。医療用医薬品部門は独西部ブッパータルにある血友病向け医薬品の製造拠点を閉鎖するなどして900人、消費者向けヘルスケア部門は1100人をそれぞれ削減する計画だ。

加えて家畜やペット向け医薬品などのアニマルヘルス事業からは撤退する。消費者向けヘルスケアでは、日焼け止めの「コパトーン」などで撤退を検討する。医療用医薬品と農業関連の中核事業に投資を集中する。

一連のリストラで約44億ユーロ(約5700億円)の費用がかかる。22年以降に年間26億ユーロのコスト削減効果を見込み、売上高に占めるEBITDA(利払い・税引き・償却前利益、特殊要因を除く)の比率を22年に17年と比べ3ポイント引き上げ30%を目指す。

ヴェルナー・バウマン社長は電話記者会見で「これらの施策はコスト構造を改善し、市場の変化への対応力を高めるために必要だ」と強調した。

バイエルは6月、総額630億ドル(約7兆円)にのぼったモンサントの巨額買収を完了した。買収審査が長引いていた17年の半ばから株価の下落は続き、足元では年初から4割も下がっている。

株価下落の背景にはモンサントが抱える訴訟がある。8月にはモンサントが販売する主力の除草剤「ラウンドアップ」に発がん性が疑われた訴訟で、米カリフォルニア州の裁判所がモンサントに2億8900万ドルの賠償金の支払いを命じた。

バイエルは安全性を主張し対決姿勢を強めるが、欧米メディアは賠償額が総額1兆円を超える可能性もあると報じている。バウマン社長は電話会見で否定したが、今回発表したリストラ策は株価の下支えだけではなく、巨額の賠償金に備える狙いもあるとみられる。

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