2018年12月14日(金)

サムスン有機EL技術、中国に流出か 韓国検察11人起訴

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2018/11/29 22:53
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【ソウル=山田健一】韓国検察当局は29日、同国のサムスングループで有機ELパネル世界最大手、サムスンディスプレーの生産技術を中国パネル最大手の京東方科技集団(BOE)などに流出させたとして、サムスンの取引先の幹部ら計11人を起訴したと発表した。検察によると、最新のスマートフォン(スマホ)のパネルに使う先端技術が中国側に流出した。

サムスンはスマホ向けの中小型の有機ELパネルで9割以上の世界シェアを握る。サムスンディスプレーはサムスン電子の連結子会社。技術流出が事実ならば、有機ELパネルを半導体やスマホに次ぐ主力事業に育成中のサムスン電子の経営に大きな痛手となる。

ソウル郊外の水原(スウォン)地方検察庁によると、流出したのはサムスンが約1500億ウォン(約150億円)を投じて開発した、パネルをカバーガラスの曲面に正しく貼り付ける技術。BOEなど4社に流出した疑いがある。ほかの3社には中国のパネル2位である華星光電(CSOT)が含まれているもようだ。

流出には、韓国のパネル製造装置大手、トップテックが関わった。検察は、不正競争防止や営業秘密の保護に関する法律に違反した罪で、同社社長と専務、関連会社の副社長ら11人を29日までに起訴。ほかに中国企業の幹部2人も取り調べたが、起訴を見送った。検察は8月、韓国の情報機関の国家情報院から情報を得て捜査を続けていた。

サムスンは29日「技術流出は大変遺憾。機密情報の管理を強化して再発防止に努める」とコメントした。一方、トップテックは株主に宛てたメッセージを公表し「当社が自社開発した技術を基に中国企業と取引した。サムスンの技術を流出させた事実はない」と、疑惑を強く否定した。

有機ELや半導体が代表する先端技術の開発の成否は、企業の命運を左右する。それだけに競争も激しく、不正な手段を使ってでも習得を狙うケースもあるとされる。新日本製鉄(現・新日鉄住金)は2012年、韓国の鉄鋼大手ポスコなどが最先端の鋼板の技術を盗んだとして提訴。15年にポスコから300億円を受け取ることで和解した。

有機ELは色の再現性や黒の表現に優れる。折り曲げることができるため、液晶パネルに比べてデザインの柔軟性が高く、画面を折り畳める次世代スマホ「フォルタブル」や、自動車の内装向けなどで需要の拡大が見込まれている。

米調査会社、ディスプレイサプライチェーンコンサルタンツの調べでは、世界のスマホ向けの有機ELパネル市場は18年に243億ドル(約2兆7460億円)と、前年比10%伸びる見通しだ。

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