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EUから英離脱、デリバティブ動揺 清算業務 世界で争奪戦に

Brexit
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2018/11/30 2:00
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2019年3月末の英国の欧州連合(EU)離脱を前に、世界でデリバティブ(金融派生商品)市場の争奪戦が始まった。世界の取引の中心地であるロンドンが清算拠点として機能しなくなるとの懸念が出ているからだ。45兆ポンド(約6500兆円)という天文学的数字の契約が宙に浮けば、金融危機の火種でもある。「無秩序離脱」のリスクは消えておらず、代替拠点を巡り日本を含め覇権争いに発展してきた。

デリバティブは08年の米金融危機後、金融機関同士の相対から、中央清算機関(CCP)を経由する集中清算へ移っている。中央清算機関は売買の間に入り、全ての相手になることで、取引先の破綻が連鎖するリスクを抑えた。

この拠点として君臨するのが、ロンドン証券取引所グループ(LSE)傘下のLCHだ。同社によると固定金利と変動金利の交換など金利スワップ取引の清算で、世界シェアは9割超に上る。国際決済銀行統計(BIS、16年)では、英国はユーロ建て金利デリバティブ取引の4分の3を占める。

英国のEU離脱決定はこの構図を揺さぶっている。EUの金融規制から外れれば、欧州金融機関が英国の清算機関を使い続けられなくなる可能性が浮上したからだ。欧州大陸側には独ドイツ取引所グループの清算機関であるユーレックスがある。清算拠点の奪取をもくろむEU側は、在英機関へのアクセス制限をちらつかせてきた。

交渉上の駆け引きなのか、現実に起こり得る最悪のシナリオなのか――。

英イングランド銀行(中央銀行)は28日発表の金融安定報告書で、「19年3月末以降に満期が来る残高は45兆ポンド」あることを取り上げた。金融システムの不安定要因になりかねないとの懸念を強調するためだ。

EU側は交渉上、その可能性をちらつかせながらも、欧州証券市場監督機構(ESMA)は23日、合意なし離脱の場合に英清算機関を継続利用できるよう、EUの執行機関である欧州委員会と準備を進めているとも発表した。英金融規制がEUと同等性を持てば、特例で認める方向を示した。

金融センター誘致をもくろむ各国の思惑も絡んできた。これをきっかけに英国の牙城を切り崩せるとの読みだ。

仏中銀のビルロワドガロー総裁は同じ日の講演で「パリはマーケットハブになる十分な資格を持っている」と述べ、清算拠点をパリに誘致する意欲を示した。

これに対し、LSEは10月に最大4億3800万ユーロ(約570億円)を投じ、子会社LCHへの出資比率を8割超に引き上げると発表した。17年のスワップ取引の清算額は874兆ドル(約10京円)と前年比31%増えた。指数などの情報サービス部門に次ぐ収益源となっており、EU離脱を尻目に清算事業を一段と強化する方針を鮮明にした。

日本も無縁ではない。日本取引所グループ(JPX)傘下の日本証券クリアリング機構(JSCC)は受け皿になる好機とみる。12月、清算の仲介業者などと結ぶ契約書に英語様式を導入。11月には利用者とJSCCを仲介する事業者として英バークレイズ銀行も参加した。円金利スワップ取引の清算を海外から利用する顧客が増えている。

世界的な規制強化の流れを受けて、清算業務は取引所の成長分野だ。JSCCは英語での情報発信や顧客サポートに力を入れており、海外利用者は20社と2年前に比べ10倍に増えた。JSCCの円金利スワップ取引清算の世界シェアは約6割で、残りの4割をLCHが手がけている。英EU離脱を機に清算業務での存在感を高めたい考えだ。

EU離脱を機に金融取引の清算業務の分断が深まれば、清算市場の効率性に悪影響が及ぶ可能性もある。(ロンドン=篠崎健太、須賀恭平)

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