世界のCO2排出量4年ぶり増、2017年、国連調査

2018/11/29 17:47
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【ブリュッセル=森本学】国連環境計画(UNEP、本部ナイロビ)によると、2017年の世界全体の二酸化炭素(CO2)の排出量は前年比1.2%増となり、4年ぶりに増加へ転じた。世界の気温上昇を産業革命前に比べて2度未満に抑えるとの目標を定めた「パリ協定」の達成はこのままでは極めて難しいと指摘。各国の温暖化ガスの削減量を約3倍に引き上げる必要があるとの見解を示した。

「すべての国が前例のない緊急の対策を必要としている」。UNEPが27日に公表した報告書では、各国の今の温暖化ガスの削減目標では21世紀末に気温上昇が約3度に達すると警鐘を鳴らした。12月2日からポーランドで開く第24回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)を前に、各国に対策強化を呼び掛けた形だ。

世界のCO2排出量は14年から16年にかけてほぼ横ばいが続いていた。温暖化ガスの排出量がピークに達する兆しが見えてきたとの議論も一部で浮上していたが、報告書は「ピークの兆しは見られない」と強調した。

20年以降の温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」では、温暖化による世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べ2度より十分低く抑え、かつ1.5度以下にとどめるよう努力する目標を定めた。UNEPの報告書は、2度未満を実現するには各国の排出量の削減目標を現状の約3倍、1.5度未満の実現には約5倍へ引き上げる必要があると指摘した。

COP24では、20年からのパリ協定の実施に向けた詳細ルールの決定や、各国の削減目標引き上げへの道筋を描けるかが課題となる。2日の開幕を前に、欧州連合(EU)の欧州委員会は28日、50年までにEU域内の温暖化ガス排出量を「実質ゼロ」に削減する新目標案をEU加盟国や欧州議会に提案。トランプ政権が離脱表明した「パリ協定」の堅持へ議論を主導したい考えだ。

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