2019年6月25日(火)

日欧EPA承認案を衆院可決 2月1日発効へ前進

2018/11/29 17:00
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日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)の承認案が29日の衆院本会議で可決した。今国会で成立する見通しが強まり、日欧がめざす2019年2月1日の発効へ前進した。関税分野では農林水産品と鉱工業品を合わせ日本側が約94%、EU側が約99%撤廃する。日欧はそれぞれ米国との貿易交渉を抱える。早期に自由貿易圏を広げ、米国をけん制したい思惑がある。

衆院本会議で日欧EPA承認案が可決され、一礼する河野外相(29日午後)

ユンケル欧州委員長(右)と握手する安倍首相(18日、ブリュッセル)=代表撮影・共同

日欧EPAは日欧が国内手続きを終えた翌々月の1日に発効する規定がある。国内手続きを完了するには日本の国会とEU議会の批准が必要だ。EUは12月中に議会で採決する方針だ。

安倍晋三首相は日欧EPAを「アベノミクスの成長戦略の重要な柱」と位置づける。17年の世界の国内総生産(GDP)の27.8%、世界貿易の36.9%を占め、世界で最大級の自由貿易圏となる。政府は実質GDPを約5兆円押し上げ、雇用を約29万人増加させると試算する。

日本と欧州は米国との貿易交渉を抱える。米欧は今年夏に「関税ゼロ・非関税障壁ゼロ・補助金ゼロ」を目指す貿易交渉に入ると合意し、今月中旬に閣僚級の通商協議を開いた。日米は年明けに物品貿易協定(TAG)交渉入りを控える。

米国は日欧に貿易不均衡の是正を求め、トランプ米大統領は自動車関税の引き上げをちらつかせている。日本と欧州は関税上げに反対の立場だが、トランプ氏と正面から争う構図は避けたい。同じ事情を抱える日欧は、EPAの早期発効で自由貿易圏を広げ、米国の自国優先主義に一定の歯止めをかける材料にしたいとの狙いがある。

日欧EPAの発効は日本の輸出企業や輸出に積極的な農家に恩恵がある。EUが日本の乗用車にかけている10%の関税は8年目に撤廃される。自動車部品は9割以上の関税が即時撤廃だ。牛肉、お茶、水産物などの農林水産品のほとんどのEU側の関税は即時撤廃になる。

日本の消費者は安くEU産のワインやチーズが買えるようになる。日本側は欧州産のワインにかける関税をゼロにする。欧州産のソフトチーズは低関税の輸入枠を作り、16年目に関税をなくす。コメは関税撤廃・削減の対象から除外する。

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