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「来訪神」が無形遺産に決定 ナマハゲなど10行事

国連教育科学文化機関(ユネスコ)は29日、インド洋のモーリシャスで政府間委員会を開き、日本政府が申請した「来訪神 仮面・仮装の神々」を無形文化遺産に登録することを決めた。来訪神は「男鹿のナマハゲ」(秋田県男鹿市)など8県10件の行事で構成される。登録は2016年の「山・鉾・屋台行事」以来となる。

ナマハゲに抱かれて泣く子供(秋田県男鹿市)=共同

来訪神は、正月など年の節目に仮面をつけたり仮装したりした人が「神」として家々を訪れる行事。人々に幸福をもたらすとされ、10件はいずれも国の重要無形民俗文化財に指定されている。各地域で伝承され、住民の結びつきを深めてきたとして、政府がユネスコに登録を申請。登録の可否を事前審査するユネスコの補助機関が10月、「地域文化の多様性を示している」などとして登録するよう勧告していた。

行事のうち「甑(こしき)島のトシドン」(鹿児島県薩摩川内市)は09年に登録された。政府は続いて「男鹿のナマハゲ」の登録を目指したが、トシドンと類似しているために11年の政府間委員会で見送りが決定。このため政府は複数の行事をまとめて一つの遺産とする方法に切り替えた。

来訪神はトシドンの「拡張」として扱われるため、日本の登録総数は21件で変わらない。政府間委員会最終日の12月1日、遺産リストに記載される。

無形文化遺産は08年に初めて「能楽」「人形浄瑠璃文楽」「歌舞伎」の3件が登録。「和食 日本人の伝統的な食文化」(13年)や「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」(14年)など14年まで7年連続で登録されたが、15年と17年はなかった。各国からの申請がユネスコの審査件数の上限を超え、中国に次いで登録件数が多い日本の案件については審査のペースが抑えられているためだ。

来訪神として申請したのは16年3月。通常は翌年の11月ごろに審査されるが1年の先送りが決まり、政府は17年3月に再提案した。日本の案件が次に審査されるのは20年。宮大工などが継承する「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」が登録を目指すことになっている。

福を持ち込む異形の神々


 来訪神は正月や盆など、一年の節目に人間の世界を訪れ、怠け者を戒めたり、幸福や豊穣(ほうじょう)をもたらしたりするとされる神々だ。鬼のような異形の姿で現れる特徴を持ち、民俗学者、折口信夫は巡礼者や芸能民ら村落の外からやってくる「まれびと」を歓待する風習との関係性を指摘している。
 村の若者らが神にふんして年中行事が行われる。神の仮面は鬼のように角が生えていたり、真っ赤な顔に丸い大きな耳がついていたり、地域によって異なる。体にはワラや葉などでできた衣装をまとい、おどろおどろしい振る舞いをするものが多い。
 住民は村落内を巡回する神を家に迎え入れ、酒や料理を出すなどしてもてなす。全身を泥だらけにした「宮古島のパーントゥ」(沖縄県宮古島市)など、住民らに泥を擦りつけて回るパターンもある。最近は過疎化や少子高齢化を背景に、迎え入れる家庭や、神々の役割を担ってきた青年らが減るなどして、行事を続けるのが難しくなっている。

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