JR西日本の来島達夫社長は28日、未着工となっている北陸新幹線敦賀(福井県)―新大阪の早期開業のため、現在の建設費負担ルールを見直し、JRの負担を増やすことを容認する可能性を示唆した。新幹線の建設財源を検討する与党会合に出席後、記者団に「新大阪までの早期開業を願っている。今のルールが全てではない」と述べた。
JRは新幹線開業による収益の一定割合を線路使用料(貸付料)として30年間、国側に支払っており、これが主な財源となっている。ただ建設中の区間に優先配分しているため、2兆1千億円程度かかるとされる敦賀―新大阪の財源は確保のめどが立っていない。
政府、与党や沿線自治体からは徴収期間の延長や算定方法の変更で貸付料を増額すべきだとの声がある。来島社長は建設中の金沢―敦賀に関する負担増には反対しているが、将来的なルール変更には応じる可能性を示した形だ。
沿線自治体は2031年春ごろまでの敦賀―新大阪開業を要望しており、自民党は年内にも財源の検討組織を立ち上げる。