激動期、変革に挑戦 現場の強みは人材育成がカギ
「ナゴヤが生んだ名企業」シンポジウム

2018/11/28 20:00
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日本経済新聞社名古屋支社とテレビ愛知は28日、名古屋市内でシンポジウム「ものづくり・ひとづくり ナゴヤが生んだ名企業」を開いた。車の電動化や人工知能(AI)の進化などで企業を取り巻く環境が大きく変わるなか、変革に挑戦することの重要性や人材育成策などについて幅広く意見を交わした。(詳細を12月中に掲載予定の特集面に)

講演するトヨタ自動車の河合副社長

パネル討論する(左から)河合、小池、松尾の各氏(28日)

シンポジウムには約450人が参加した。

基調講演でトヨタ自動車の河合満副社長は「なぜ手作業にこだわっているのかとよく聞かれるが、技能の進歩が止まったら技術の進歩も止まる」と生産現場で人が技術を磨くことの大切さを指摘。塗装などの工程で産業ロボットの精度を上げるうえでも、「上手な人のやり方を計測して、ロボットにまねさせて自動化するほうが効率がよい」と解説した。

電気自動車(EV)など車の電動化や自動運転といった技術革新を背景に、車産業は100年に1度ともいわれる激変期を迎えている。河合氏は車のシャシーを製造していた担当者が燃料電池車(FCV)部品をつくったことを例に挙げて、「人を育てれば、どんなことにも対応できる。何が起きてもやり切る人を育てることが大事だ」と語った。

パネル討論で、ブラザー工業の小池利和会長は「変化に対応し、会社の姿を変えていかなければいけない」と環境に合わせ、変革を続ける必要性を強調した。1908年に創業した同社はミシンが主力事業だったが、今では売上高の半分以上を複合機やプリンター事業が占めている。「オフィスでも紙が使われないようになってきた。紙以外の媒体に印刷する企業向けビジネスを伸ばすなど新たな改革を進めている」と述べた。

同社は今では年間売上高約7000億円のうち、8割を海外で稼いでいる。若手社員を対象にした研修を実施し「若いうちから海外駐在などで様々な経験をすることが視野を広げる礎になる」とひとづくりの重要性を強調した。

名古屋大学の松尾清一学長は「大学のミッションはひとづくり。多くの人々と連携しながらオープンな大学にしていきたい」と産業界などとの連携に力を入れる考えを示した。「今は様々な知恵が混ざり合って新しいものを生み出す時代。大学は新たなプラットフォームをつくり出す場に適している」と大学の役割について説明した。

中部は従来、首都圏などに比べ起業が少なかったが、名大などからベンチャー企業が続々と生まれてくるようになった。「ここ数年で雰囲気がどんどん変わっている。起業して新しいものをつくり、世の中に広めていくという精神が目覚めてきた」と期待を示した。

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