2018年12月14日(金)

外資ホテルが地域深耕、マリオットと積水が「道の駅」ホテル

住建・不動産
2018/11/28 14:12
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ホテル世界最大手の米マリオット・インターナショナルと積水ハウスは28日、地方の「道の駅」に併設したホテルを展開すると発表した。ホテルの建設費を投資するファンドにはみずほフィナンシャルグループなども参画する。体験型観光を求める訪日外国人らを取り込む。自治体と連携して各地に眠る食や文化など観光資源を深耕し、地域振興する狙いもある。

記者会見する積水ハウスの仲井社長(左)ら(28日、東京都目黒区)

「日本で急速に増えているインバウンド(訪日外国人客)に、知られざる日本の秘境へのアクセスを提供したい」。都内で28日開いた会見で、マリオットのアジア太平洋社長兼マネージングディレクター、クレイグ・スミス氏はこう話した。

日本初上陸となる「フェアフィールド」ブランドで2020年秋以降、京都、岐阜、和歌山、三重、栃木の5府県に15施設(計約1千室)を開業する。ホテルはいずれもロードサイドに構える道の駅に併設する計画だ。宿泊料金は1室1万~1万5000円を想定している。

同社は日本で「ザ・リッツ・カールトン」「シェラトン」「ウェスティン」などのブランドの高級ホテルを大都市や観光地で展開しているが、農村部など郊外への進出は初めて。一方、米国などでは「フェアフィールド」ブランドで農村部などで約950施設を展開している。

世界的な潮流である体験型旅行の需要を捉えようと、マリオットは今後3年でアジアや中南米を含めて同ブランドのホテルを新たに約350施設増やす計画。積水ハウスと組んだ日本事業もこの戦略の一環だ。ホテルの運営は積水ハウスが新設する子会社が担い、マリオットが外国人への接客といった従業員教育などのノウハウを提供する。

積水ハウスの仲井嘉浩社長は「ホテルをハブに地域を渡り歩く、新たな旅のスタイルを提案したい」と期待を込めた。ホテルは素泊まりが基本で食事や土産の買い物は地元の飲食店や道の駅を利用してもらう。「地域のポテンシャルを最大限に引き出す」(仲井社長)のが狙いだ。ホテル周辺で地元の食材を味わったり、アウトドアを体験したりする訪日客らの利用を見込む。

投資負担を軽減するため、建設費などを投資するファンドを組成する。ファンドには積水ハウスやみずほのほか、地域振興につなげたい地方銀行に参加を呼びかける。

今回の事業展開には、立地自治体の協力も取り付けた。自治体や第三セクターが運営する道の駅の隣接地を賃借してホテルを建設したり、各地の食や郷土芸能を連携して発掘、集客の武器となる観光資源として活用したりする。

一方、農村部や山間部は移動手段などに困るおそれがある。宿泊客は主にレンタカーの利用を見込むが、仲井社長は「賛同してくれるパートナーとの提携をめざす。地域活性化のプラットフォームになりたい」説明。具体的には、カーシェアや情報発信を手がけるメディア企業などの参画も期待する。

会見では、今回の15カ所以外にもホテル誘致に興味を示す10道県の自治体と協議を進めていることも明らかにした。積水ハウスやマリオットは採算を見極めつつ、将来は約50カ所に広げる構想もある。

観光庁によると、17年の外国人の延べ宿泊者数の16年比伸び率は、三大都市圏の12%に対しそれ以外の地方部は19%と大きい。全体に占めるシェアも地方部が初めて4割を超えた。リピーターが増える中、東京や京都などを巡るありきたりな観光ではなく、新たな体験を求める傾向が強まっている。(大阪経済部 小泉裕之)

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