2019年4月24日(水)

満身創意(岡崎慎司)

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ハセさんは今もサッカーに夢中な「藤枝の少年」

2018/11/28 16:00
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先日、長谷部誠さん(アイントラハト・フランクフルト)と、家族ぐるみで食事をした。長らく代表のチームメートとして活動してきたが、2人でじっくり話し込むのは初めてのことだった。

代表チームで僕はイジられ役だったが、ハセさん(長谷部)も実は、どちらかといえばそうだったと思う。互いに冗談でからかい合う感じの時間が多かったというか。

長谷部(右)について「自身の名声や実績に酔うことがない人だ」=共同

長谷部(右)について「自身の名声や実績に酔うことがない人だ」=共同

代表の主将だったハセさんといえば、リーダーシップを発揮する生徒会長タイプという印象が強いだろう。真面目でしっかり者。確固たるパブリックイメージの持ち主だ。この先、サッカー以外でもさまざまな分野で活躍が期待されている人間だと思う。

しかし今回、話をして分かった。ハセさんが今、大切にしているのは家族や子供であり、やはりサッカーだということを。将来を語るより、目の前のことに一生懸命。そういう姿に「僕と同じだ」と勝手に親近感を抱いた。

世間が自分をどう見ているのかを客観的に受け止めている。自身の名声や実績に酔うことがない人だとも思った。ドイツへ来て3つのクラブを渡り歩き、自分の居場所を探し続け、現在はフランクフルトの柱としてボランチやリベロで活躍している。冷静に、それでいて熱く、今を生きている。そんなところはリスペクトしかないし、根っこの部分で似た者同士にも思えた。ハセさんには笑って否定されるかもしれないけれど。

兵庫県出身の僕は静岡の清水エスパルスでプロ生活を始めた。その経験から言わせてもらうと、静岡の人は非常に話がしやすい。「何か話さないと気まずくなるんじゃないか」みたいなプレッシャーを感じさせないので自然に会話が弾む。そういう意味ではハセさんも静岡の人なのかな。サッカーに夢中な藤枝の少年がそこにいる感じだった。

亡くなった2人の恩人が「サッカー界で思い描いていた夢の続きの手助けをしたい」=ロイター

亡くなった2人の恩人が「サッカー界で思い描いていた夢の続きの手助けをしたい」=ロイター

11月23日、僕にプロの道を用意してくれた、清水の久米一正ゼネラルマネジャーが他界された。プロ契約を交わす際に「これからは静岡の父親だと思ってくれ」と、包み込むような笑顔で言ってくれた久米さんも静岡の人。

10月末にレスターのウィチャイ・オーナーがヘリコプター事故で亡くなったばかり。同オーナーは僕をプレミアリーグへ導いてくれた、ボスとしても、一人の人間としても尊敬できる人だった。タイの実業家だったオーナーのおかげで何度も足を運び、タイという国とも深いつながりを感じるようになっていた。

1カ月足らずの間に恩人を立て続けに失った。2人とも60代前半という若さ。その無念を思うと、言葉にできない感情があふれてくる。2人がサッカー界で思い描いていた夢の続きの手助けをしたい。今は何ができるか分からないけれど、それが恩返しだと思っている。

(レスター所属)

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