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Jクラブ浮沈を左右 W杯中断期間の妙手とは…
サッカージャーナリスト 大住良之

(2/2ページ)
2018/11/30 6:30
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鹿島は中断前はACLの影響もあって成績が安定せず、11位に甘んじていた。しかしリーグ再開前日に「レジェンド」であるジーコ氏がテクニカルディレクターに就任。中断期間にDF植田直通がベルギーに、再開直後にはFW金崎夢生が鳥栖に移籍するという痛手があったが、すぐにDF鄭昇炫(チョン・スンヒョン)を鳥栖から、そしてFWセルジーニョをブラジルから補強して、再開後は川崎に次ぐ勝ち点37(ただし他クラブより1試合多い19試合)を挙げた。それだけでなくACLでも優勝を果たした。

鹿島は補強で再開後にチームを立て直し、ACLでも初優勝した=共同

鹿島は補強で再開後にチームを立て直し、ACLでも初優勝した=共同

18年、まるで「2シーズン制」

「中断前」と「再開後」で最も大きな「豹変(ひょうへん)」をみせたのがG大阪だ。今季はレビー・クルピ監督が就任したが開幕前の調整に失敗して開幕から3連敗。中断前には16位と「降格ゾーン」だった。クラブは中断中の立て直しに期待したが、再開後も広島と清水に連敗。7月23日にクルピ監督を解任して宮本恒靖氏を後任監督に据えた。独自のトレーニング期間もなく、Jリーグで指揮を執るのは初めての宮本監督だったが、9月を迎えてからチームがまとまり、韓国代表のエース格に成長したFW黄義助(ファン・ウィジョ)の得点力もあって9連勝。8位まで順位を上げた。クラブが機を逃さずに監督交代の手を打ったことが「急上昇」の決め手となった。

対照的なのが神戸だ。17年半ばに就任した吉田孝行監督の下、優勝を目指して大型補強をし、「中断前」には6位とまずまずの成績を残した。そして5月にスペイン代表のアンドレス・イニエスタの獲得を発表。イニエスタだけでなく、カタール代表DFアフメド・ヤセルらの積極補強もした。再開後は「イニエスタ人気」でホームの大半の試合が満員となり、アウェーでも入場者数増加に大きく貢献したが、成績は伸びず、18試合で5勝5分け8敗の勝ち点20で、優勝どころか「残留争い」に巻き込まれた。

神戸はイニエスタ(右端)らを積極的に補強したが、「残留争い」に巻き込まれた=共同

神戸はイニエスタ(右端)らを積極的に補強したが、「残留争い」に巻き込まれた=共同

9月17日に吉田監督が退任してスペイン人のフアン・マヌエル・リージョ監督を招へい。10月4日に業務ビザが発給されるまで林健太郎コーチが代行となった。しかしリージョ監督が指揮を執るようになってからも守備の混乱は解決できず、失点の多さが苦しみの要因となった。中断前の15試合で「得点23、失点17」とバランスが取れていたが、再開後は大きく崩れ、18試合で「得点19、失点33」。この数字が中断後のチームづくりの失敗を物語っている。

J2降格が決まった柏も失敗した。中断前は6勝2分け7敗で9位だったが、ACLでの不成績もあって5月12日に下平隆宏監督を解任、加藤望監督が引き継いだ。しかし再開後に4連敗。以後も負けが先行し、11月10日に加藤監督を解任して岩瀬健コーチを新監督にたてたが、時遅く、第33節に17位が確定した。

中断前と再開後、まるで「2シーズン制」のようだった今季。監督たちだけでなく、それぞれのクラブの強化担当にとっても大きな経験となったに違いない。成功も失敗もしっかり分析して、今後に生かすことが大事だ。

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