2019年2月23日(土)

アジアに航空機部品の供給網を、東京で公開討論会

自動車・機械
東南アジア
2018/11/27 17:30
保存
共有
印刷
その他

全国航空機クラスター・ネットワークや経済産業省、日本貿易振興機構(ジェトロ)は27日、都内で「アジア航空機サプライチェーンフォーラム」を開いた。航空機部品産業の育成に熱心なマレーシアやタイの政府関係者のほか、米ボーイングや日本の航空機部品メーカーも集まってアジアでの部品供給網の未来像を議論した。

経産省の広瀬直大臣官房審議官(右)はタイやマレーシアの政府関係者とともにアジアでの航空機サプライチェーンの構築の重要性を訴えた(27日、都内)

「マレーシアは2030年までに東南アジアでナンバーワンの航空宇宙立国を目指す」。マレーシア投資開発庁東京事務所のリドゥアン・ラフマン所長は産業育成にかける意気込みを語った。マレーシアは航空機産業の振興を政府の重要戦略と位置づけている。

「MRO(修理・整備)」「航空機製造」「システムインテグレーション」「エンジニアリング&デザインサービス」を重点4分野に据え、30年に同産業にかかわる高所得の従業員数を3万2000人以上に増やす。1970年代から育ててきたMROは世界市場5%の獲得が目標だ。

東南アジアには政府系の民間航空会社が多く、各国政府は航空機購入の条件として一部部品の現地生産を要請するなどで産業の裾野を広げてきた。

アジアでの航空機需要の急増は追い風になりそうだ。今後20年間で民間航空機は約4万機の需要が見込まれており、そのうち4割がアジアに集中する。マレーシアも市場拡大を背景に航空機産業の飛躍を狙う。

マレーシアには米ゼネラル・エレクトリック(GE)や米ハネウェル、仏サフラン、欧州エアバスなど欧米の主要航空機関連メーカーが軒並み拠点を構える。日本からの進出も増え、ラフマン所長は「マレーシアを玄関口に巨大な東南アジア市場に進出できる」とさらなる投資を呼びかけた。

タイも「タイランド4.0」と題した成長戦略のなかで航空機産業を重要分野に位置付けている。東部経済回廊(EEC)地区のウタパオ空港に新しい滑走路を建設し、周辺に航空工業団地を設けて、MROを育成する促進策を打ち出す。

東南アジア諸国連合(ASEAN)の航空機市場は急成長するうえ、フライトも活発になる。タイ王国工業省のサンティ・キラナンド副大臣は「37年にはMRO市場は3倍になる。域内でMRO産業を確立する必要がある」と強調した。

航空機産業を育成するための優遇策をMROや宇宙関連機器などの分野に導入したほか、航空当局が研修センターを設置。航空関連の人材育成も始めるなど、産業育成策を強化していく方針だ。

日本では三重県にある航空機部品の中小企業10社が集積する「松阪部品クラスター」が日本で精密部品加工したり、表面処理したりした部品をベトナムで組み立てるなどの取り組みが米ボーイングから評価されている。

経産省は日本の航空機部品産業を強化するため、アジアでのビジネスマッチングなどを支援してきた。経産省の広瀬直大臣官房審議官は「日本の高い品質とアジアのコスト競争力を融合すれば、優れたサプライチェーンを展開できる」と語る。

アジアで航空機需要の拡大という追い風が吹くなか「自動車では日本とアジア諸国はサプライチェーンで深い協力関係にある。新たな協力を拡大する絶好の機会だ」と述べ、日本の航空機産業にも積極的なアジア進出を促していた。

(星正道)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報